住宅ローン地獄に陥る原因とは?生活が苦しく、支払いが困難になった際に起こること

この記事のざっくりしたポイント
  1. 住宅ローン地獄とは、なんらかの原因で月々のローン返済ができなくなり滞る状態のこと
  2. ローン地獄に陥る原因は主に4つある
  3. 自分のライフプランをしっかり考え、さらにリスクも踏まえた上で借入額や金利プランを決定するのが良い

コロナ禍の今、「住宅ローン地獄」という言葉をニュースの見出しでよく見かけるようになりました。住宅ローン地獄とは、なんらかの原因で月々のローン返済ができなくなり滞る状態を指します。住宅ローン契約を考えている人は、絶対に住宅ローン地獄に陥らないよう返済計画をしっかり立てること、そして不測の事態に備えておくことが重要です。

この記事では住宅ローン地獄に陥る原因と回避する方法を解説しています。先人の失敗を参考に賢い住宅ローン選択を行いましょう。

住宅ローン地獄に陥る原因

住宅ローン地獄に陥る原因は1つとは限りません。多くの人は以下の4つの原因が元で住宅ローン地獄に陥っているようです。

住宅ローン地獄原因①:住宅ローン選びで失敗している

多く見られるのが住宅ローン選びで失敗しているパターン。住宅ローン商品は数多あり、金利、手数料などが大幅に異なります。例えば借入期間35年、借入額4,000万円で金利が0.5%異なると、総返済額は400万円近くも異なります。「どれも同じだろう」とリサーチを怠ったり、不動産会社が勧めるままに契約したりすると、自分に合っていない住宅ローンを選んでしまうおそれがあります。

住宅ローン地獄原因②:生活が苦しくなるほど借りすぎた

2つめの原因は生活に見合わないほど高額の借入を行ったパターンです。家は大きな買い物ですから、妥協したくないと思うのは当然です。しかし、こだわりを詰め込みすぎると簡単に予算オーバーしてしまいます。

住宅ローン地獄原因③:収入が下がった

3つめの原因は世帯収入の下落です。住宅ローンの返済は長ければ35年続きます。その間ずっと健康で、同じ会社で継続して働ければ問題はないかもしれませんが、人生何が起こるかわかりません。子どもが生まれて片働きとなった、離婚した、転職して給与が下がった、あるいはコロナ禍で業績が悪化してボーナスが出なかった…など、収入が下がる要因は数多くあります

住宅ローン地獄原因④:変動・固定金利の違いを知らずに組んでしまった

住宅ローンを選ぶ際は金利の数値だけでなく金利タイプも重要です。金利タイプは大きく変動金利と固定金利に分けられます。変動金利は当初の金利が低く、市場金利に応じて定期的に上下します。一方固定金利は当初の金利は高いものの返済期間を通じて一定であるという特徴があります。

金利の低さに惹かれて安易に変動金利を選ぶと、市場金利が急激に上昇したことにより返済額が大幅に増えてしまった…といった事態もあり得るわけです。市場金利の変動を予測することは難しいですが、変動金利を選ぶ際は金利上昇リスクを踏まえて余裕のある返済計画を立てましょう。

住宅ローン地獄に陥り、返済できなくなるとどうなるんですか?

最終的には家を失うかもしれないよ。次章で詳しく経過を紹介しよう。

住宅ローンが払えなくなったらどうなる?

住宅ローンが払えなくなったら一体どうなるのでしょうか。住宅ローンの返済が滞った場合のステップを、滞納期間別に紹介します。まず知っておきたいのは1日でも約定返済が遅れると損害遅延金が発生することです。金額は以下の計算式で求めることができます。

約定返済額の元金 × 遅延損害金年率 ÷ 365日 × 返済日の翌日からの経過日数

損害遅延金年率は金融機関によって異なりますが、多くは年14%程度です。例えば10万円の返済が20日遅れると、約767円の損害遅延金が請求されます。計算式を見てわかるとおり、日数が経過するほど大きくなります。

滞納1ヶ月〜3ヶ月:金融機関から催促状が届く

口座から引き落としができないと、まずは書面による催促が行われます。最初はハガキ、次に内容証明が届きますがただちに家を失うということはありません。しかし3ヶ月を超えてくると電話がかかってきたり、ローン残高と利息、そして損害遅延金の一括返済を求められたりします。

滞納4ヶ月〜半年:分割払いの権利(期限の利益喪失)がなくなる

4ヶ月以上滞納が続くと「返済の意思がない」とみなされてしまいます。すると、「期限の利益の喪失通知」が発行されます。期限の利益喪失とは債務者が分割払いできる権利を失うということ。つまり一括返済が求められるということですね。

滞納7ヶ月〜8ヶ月:代位弁済される

一括返済ができなければ保証会社が返済を肩代わりします。保証会社が代わりに金融機関へ一括返済することを「代位返済」と言います。債務者は保証会社へ一括返済しなければいけません。保証会社と話し合い、解決方法を探ることになります。

滞納8ヶ月〜9ヶ月:家が競売にかけられる

8〜9ヶ月ほど経過しても返済の目処が立たなければ、とうとう家を失います。競売にかけられ、売却されれば立ち退き交渉が始まります。売却によって得る金額はすべて返済に充てられ、足りない分は当然返済義務があります。家を失うだけでなく借金も残るわけですから、良いことは1つもありません。

最悪の事態を避けるためには早めに金融機関に相談することが重要です。絶対に放置しないようにしてください!

住宅ローンの金利選びで後悔しないためには?

前述したように住宅ローンの金利選びに失敗すると住宅ローン地獄に陥るおそれがあります。必ず変動金利と固定金利の違いを把握し、自分にどちらが合っているか十分検証してください。

変動金利とは?選んだ方が良いケース

変動金利は市場金利に応じて定期的に金利が見直しされるプランです。金利の見直しは半年ごとに行われますが、返済額の変更は5年ごとが一般的です。現在は超低金利時代と言われ、1990年代前半には7%程度だった金利が2%台にまで落ち込んでいます(参考:民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等):長期固定金利住宅ローン 【フラット35】

変動金利ならこの低金利の恩恵を受けられるのが魅力です。実際の借入金利が0.5%前後という商品もあります。しかし、この低金利はいつまで続くかわかりません。変動金利には金利上昇リスクが伴います。

このリスクを許容できるほど余裕のある返済計画を立てられる、あるいは金利が上昇局面を迎えた時に繰り上げ返済できる資産を持っているなら、変動金利プランはおすすめです。

固定金利とは?選んだ方が良いケース

固定金利は借入期間中返済額が一定となるプランです。市場金利が大幅に上昇してもその影響を一切受けません。その代わり、変動金利よりも高めに設定されているため毎月の返済額は増えます。固定金利は、とにかく金利上昇のリスクを回避したい人にはおすすめです。子どもの教育費を着実に確保したい、金融資産が少なくいざという時繰り上げ返済が難しいといったケースに適しています。

どちらも一長一短あるし、市場金利が今後どうなるかわからないし…選択は難しいですね。

大切なのは、金利が低いからという理由だけで変動金利を選ばないこと。当初の金利がずっと続くと思って返済計画を立てるのは危険です。

住宅ローン貧乏になってしまう人の特徴

先ほど紹介したようなまさに「地獄」にまで至らないにせよ、住宅ローンの支払いで生活が困窮してしまう人も多くいます。住宅ローン貧乏になりやすい人の特徴をまとめました。「当てはまっている…」という人は、意識改革が必要かもしれません。

収入が変動することを考慮していない

夫婦ともにずっと健康で同じ会社で働けると思い込んでいる人は住宅ローン貧乏になる可能性を大いに秘めています。移り変わりの早い現代は安定などどこにもないと言っても過言ではありません。大企業が経営危機に陥りリストラを敢行したり、予期せぬ感染症が世界中を襲ったりと「まさか」の連続です。

注意
また、病気のリスクは誰にでもつきまといます。「自分は大丈夫」と思わないこと。収入は変動する前提で貯蓄を増やすなどの努力が必要でしょう。

予算よりも理想を追い求めてしまう

家を買うとなったら自分の理想を詰め込みたくなるもの。しかしすべての理想を実現するには高額の費用がかかります。家を買うときはまず予算を決めること。そしてその予算の中で実現可能なプランを考えましょう

不動産会社は少しでも高く売りたいという思惑があるので、魅力あるプランを提案してくるかもしれません。しかし、予算に見合わなければ諦めるという決断も重要です。

住宅ローン以外にもかかる費用を考慮していない

家にかかるコストは購入費用だけではありません。固定資産税、管理費、修繕積立金、火災保険など、定期的な出費を伴います。これらを考慮せずに返済計画を立てると、無理が生じるおそれがあります。

これから住宅ローンを組む人が知っておきたいポイント

これから住宅ローンを組む人は前述したような失敗をしないようにしたいものですよね。賢い住宅ローン選びができるよう、ポイントをまとめました。

住宅ローンの借入額はなるべく少なくする

住宅ローンの借入額はできる限り少なくするのが得策です。現在の収入やライフスタイルから返済額を考えるのではなく、収入が減るリスクや将来の出費も考慮した上で余裕のある借入を行うことが重要でしょう。借入額を少なくする方法として予算を減らすことはもちろん、頭金を用意することも有効です。

住宅ローンの頭金をなるべく多く用意する

頭金をなるべく多く支払えば毎月の返済負担は少なく済みます。利息も少なくなるので、総返済額を大きく減らせるでしょう。

頭金はどれくらい用意すべきでしょうか。

返済計画や資産額によっても変わりますが、多くの人は購入金額の20%程度を頭金に充てているようです。

(参考:住宅購入の頭金はいくら必要?みんなの平均額公開|SUUMO 家とお金の相談

適正な住宅ローンの計算方法を知っておく

借入額をなるべく少なくと言われても一体どれくらいが適正なのかわからないという人もいるでしょう。金融機関が試算する借入可能額はイコール無理なく返済できる額ではありません。

適借入可能額と返済可能額の違い
  • 借入可能額:年間返済額が総収入の35〜40%以内
  • 返済可能額:年間返済額が総年収の20〜25%程度

借入可能額と返済可能額は10〜20%程度も差があります。例えば年収600万円の人が35年の住宅ローンを組むケースでシミュレーションしてみましょう。

借入可能額を借りた場合
(35%で計算)
返済可能額を借りた場合
(20%で計算)
月々返済額17万5千円10万円
年間返済額210万円120万円
総返済額7,250万円4,200万円

このように総返済額は大きく変わってきます。この差異を知らず、金融機関が貸してくれる金額を目一杯借りてしまうと住宅ローン地獄に陥る可能性が高いです。

家を高く売却するコツを理解しておく

住み替えを検討している人は現在の住まいがなるべく高く売れるよう努力することも重要です。家が高く売れれば、新たに組む住宅ローンの頭金に充てられます。家を高く売るコツは様々ありますが主に以下の点を意識するのがおすすめです。

家を高く売るために意識したいこと
  • 急いで売らない(安く査定される可能性が高い)
  • 複数の業者に査定を依頼する
  • 類似物件の売買実績を確認する

上記のコツを意識し、なるべく希望する価格で売り出せるようにしましょう。

まとめ

住宅ローンは夢のマイホームを手にするためには必要不可欠ですが大きなリスクでもあります。いくら現在の金利が低いとは言え、長期にわたる返済を無理なく続けるためには計画性が必要でしょう。

将来のリスクへの備えが不十分であったり、不動産会社や銀行の言葉に惑わされたりすると、のちのち後悔する結果にもなりかねません。住宅ローン地獄の末路は惨憺たるものです。住宅ローン地獄に陥らないためにも自分のライフプランをしっかり考え、さらにリスクも踏まえた上で借入額や金利プランを決定しましょう。