住宅ローンは何歳まで組める?金融機関ごとの年齢条件と年代別の借入期間目安

この記事のざっくりしたポイント
  1. 完済年齢は80歳未満に設定していることが多い
  2. 借入時点での平均年齢は徐々に上昇傾向にある
  3. 借入時の年齢に関係なく、ローン返済額以外にも、教育費や老後生活費などの資金繰りを併せたライフプランを作成することがおすすめ

住宅を購入する場合、住宅ローンは何歳まで組むことができるのか?気になるところです。特に50歳を過ぎますと、定年退職のことも気になります。「住宅ローンの申込可能年齢は何歳だろうか?」と、不安に感じている方はおられませんか?実は、完済時年齢を80歳と設定する金融機関が多く、そこから逆算して融資期間が決められます。

住宅に関する多くの悩み事や相談事を解決してきた不動産コンサルタントが住宅ローンを組める年齢や住宅ローン年齢条件早見表、融資審査項目、借入期間の目安、シミュレーションの必要性について解説します。住宅ローンの借入をする場合、ローン返済額だけを考慮するのではなく、その他の生活費や教育費とのバランスが大切になることがわかります。

住宅ローンは何歳まで組める?

 

住宅ローンは何歳まで組むことができますか?

 
 

一般的には、80歳までとなります。

 

平均20歳以上〜65歳以下、完済年齢80歳未満が多い

住宅ローンはどの金融機関も申込可能年齢や完済時年齢を設定しています。一般的には、以下の通りに設定している金融機関が多いです。

金融機関設定の申込可能年齢や完済時年齢
  • 申込可能年齢:20歳以上65歳以下
  • 完済時年齢 :80歳未満

住宅ローンの最長融資期間は35年間です。しかし65歳の人が住宅ローンを契約する場合、完済時年齢が80歳未満という設定のため、融資期間は15年未満となります。

借入時の平均年齢は40.2歳、借入期間は平均32.9年(※1)

「2019年度フラット35利用者調査」(住宅金融支援機構)によりますとフラット35の借入申請者の平均年齢は以下の通りです。

フラット35の借入申請者の平均年齢
  • 2009年度:39.3歳
  • 2019年度:40.2歳

借入時点での平均年齢は徐々に上昇傾向にあることがわかります。フラット35の利用者層は30歳代の申請者が中心となります。

  30歳未満 30歳代 40歳代 50歳代 60歳以上
2010年度 14.6% 52.5% 21.2% 7.7% 4.0%
2019年度 14.2% 41.7% 25.9% 11.3% 7.0%

しかし2010年度の30歳代の利用者割合は52.5%でしたが、2019年度になりますと41.7%まで減少しました。それと比較して40歳代・50歳代・60歳代以上の利用者割合は、いずれも増加しており、借入時の平均年齢を押し上げている要因となっています。

同様に「2019年度フラット35利用者調査」(住宅金融支援機構)によりますと、借入期間の平均は32.9年となります。2019年度の借入時の平均年齢は約40歳となりますので、その時点から約33年間の返済が始まり、完済時年齢は約73歳となります。平均的に定年退職後も住宅ローンの返済を継続していることがわかります。

各金融機関の住宅ローン年齢条件早見表

各金融機関において設定している住宅ローンの年齢制限は下記が一般的となります。

住宅ローンの年齢制限
  • 借入時年齢:65歳~70歳未満
  • 完済時年齢:75歳~80歳未満

各金融機関の借入時制限年齢と完済時制限年齢を下表にまとめます。

金融機関・住宅ローン 借入時年齢 完済時年齢
三菱UFJ銀行
(住宅ローン・ネット専用住宅ローン)
70歳未満 80歳未満
三井住友銀行(三井住友住宅ローン) 70歳未満 80歳未満
みずほ銀行(みずほ住宅ローン) 71歳未満 81歳未満
りそな銀行(りそな住宅ローン) 70歳未満 80歳未満
三井住友信託銀行
(住宅ローン<リレープランフレックス>)
66歳未満 81歳未満
横浜銀行(横浜銀行住宅ローン) 指定無し 82歳未満
千葉銀行
(ちばぎん“選べる住宅ローンベストチョイス21”)
70歳未満 80歳未満
新生銀行(新生銀行住宅ローン) 65歳未満 80歳未満
ARUHI(ARUHIフラット35買取型) 70歳未満 80歳未満
中央労働金庫(ろうきん住宅ローン) 指定無し 76歳未満
JAバンク 66歳未満 80歳未満
住信SBIネット銀行
(ネット専用住宅ローン)
65歳未満 80歳未満
ソニー銀行(住宅ローン) 65歳未満 85歳未満
楽天銀行(楽天銀行住宅ローン) 65歳6か月未満 80歳未満

住宅ローンは年齢以外も審査の対象になっている

 

住宅ローンの主な審査項目は何ですか?

 
 

年齢・年収・勤続年数・健康状態・担保評価などです。

 

年齢

上記の表2にも示しましたが住宅ローンの年齢に対する審査基準には、借入時年齢と完済時年齢の制限があり、大半の金融機関で設定されています。借入時年齢の下限は20歳以上、上限は70歳未満と設定している金融機関が多いです。一般的に、住宅ローンを組むのに相応しい年齢は30歳代といわれています。

住宅ローンの借入期間は最長35年間です。しかし多くの金融機関で完済時年齢を80歳に設定していますので、最長借入期間を利用できる年齢は45歳までとなります。50歳の人であれば、借入期間は30年未満となります。しかし定年退職を過ぎてからの収入が年金のみとなる人については、定年時退職までに出来得る限り完済できるようにします。

注意
そのためにライフプランの作成を行い、想定される支出を検討して節約などの対策が必要です。
https://grand-next.jp/journal/2021/01/26/7283.html

年収と勤続年数

年収の多少は重要な審査項目となります。生活費に困窮している家計状態では、住宅ローンの返済を滞らせる可能性が高くなりますので融資審査の通過は困難となります。

また勤務先や勤務年数、勤務形態も、安定的な収入を見込めるか否かを判断する重要な審査項目となります。公務員や大企業の正規雇用と比較しますと非正規雇用や個人事業主、勤続年数の短い人の場合、融資審査の通過は厳しくなります

健康面

住宅ローンの融資審査にあたり、多くの金融機関では団体信用生命保険(以下、団信)への加入を条件としています。団信は債務者が死亡もしくは高度障害になった場合、ローン残高を代わりに支払ってくれる住宅ローン専用の生命保険です。その分の金利が住宅ローン金利に上乗せされます。債務者の家族にとって債務者に万が一のことがあっても住宅ローンの返済が無くなり、住宅は債務者もしくは債務者の相続人の所有となるメリットがあります。

ただし団信に加入する条件は加入時点で健康であることです。病気の状態では加入することができませんので住宅ローンの借入も困難となります。過去に大病を患っていた場合、回復して3年経過すれば借入できる可能性があります。団信の加入が認められない場合、フラット35を利用しての借入を検討することをお勧めします。フラット35の場合、団信なしでも借入が可能です。

担保評価

金融機関は購入する住宅に対して抵当権を設定します。金融機関は万が一住宅ローンの返済が滞るような事態になった場合、住宅を残債の支払いに充てるための担保にします。その際、金融機関は借入額に見合うだけの担保評価が住宅の土地・建物にあるか否かの審査を行います。以下の通りです。

担保評価が住宅の土地・建物にあるか否かによる融資の違い
  • 担保評価が有りの場合:希望借入額の融資を実行
  • 担保評価が無しの場合:希望借入額を減少しての融資実行か、融資不可

築年数の古い中古住宅や借地権設定されている住宅の場合、担保評価が低くなりますので、融資不可となる可能性があります。

年齢別】住宅ローン借入期間の目安

 

住宅ローンの借入期間の目安を教えてください。

 
 

若者層・中年層・老年層により借入期間は異なります。一般的な完済時年齢である80歳からの逆算となります。

 
https://grand-next.jp/journal/2021/01/31/7736.html

返済期間に制限がない30歳の場合

30歳までに住宅を購入し住宅ローンを組んだ場合、最長融資期間35年を活用したとしても、65歳までに完済することができます。定年退職までに住宅ローンを完済することができますので、退職金を使わずに済みます。定年退職後においては、退職金と年金とで老後生活を営むことができます。

注意点としては子供が幼少期か、これから出産予定という人が多くなります。したがって教育費の負担が発生することです。特に公立学校ではなく私立学校に通学させる場合、教育費の負担が重くなります。想定できる住宅ローンの返済と教育費(特に高校・大学時期)とのバランスを考慮したライフプランの作成をしっかりと立てる必要があります。

40歳〜50歳は返済期間がギリギリなることが多い

40歳~50歳の人が住宅ローンを組む場合、返済期間に影響を及ぼします。金融機関の多くが完済時年齢を80歳未満に設定しています。最長融資期間35年を利用する場合、45歳未満までの人が活用できます。45歳からは歳を重ねるごとに融資期間は短くなり50歳の人の場合、融資期間は30年未満となります。

しかし完済時年齢を80歳に設定しますと65歳の定年退職以降15年間に亘り、年金での住宅ローンの支払いを想定しなければならなくなります。もしくは退職金が出る場合、残債を退職金で充てて完済する方法もありますが、老後生活資金を年金だけで賄うことができるかの検討を要します。

40歳~50歳の人の場合、老後生活を見据えての住宅ローンの利用を考慮しなければなりません。したがって頭金を通常よりも多めに投入して、以下など若い人が利用する場合と同様に利用するのではなく、一工夫する必要があります。

40歳~50歳の人の場合の工夫(例)
  • 毎月の返済額を少なめにする。
  • 返済期間を25年以下など短めに設定し、定年退職前後に完済する。
https://grand-next.jp/journal/2021/02/02/8022.html

60歳の場合最長19年まで借入期間があるが綿密な計画が必須

60歳の人の場合、融資期間は19年までという制限があります。定年退職を目前に控えた住宅ローンの申請となりますので融資を行う金融機関の審査も厳しくなります。残債を賄える位の退職金が必ず支給される見込みの裏付けがある場合には、融資の可能性は高くなります。また購入する住宅の担保評価以外に、申請人の金融資産の裏付けや他に所有する不動産などの裏付けがある場合にも融資の可能性は高くなります。

さらに老後生活に入ってからの住宅購入となりますので、年金で無理なく返済できる裏付けがある場合、融資の可能性は高くなります。資産に余裕の無い場合、親子リレーローン(*1)やリバースモーゲージ型住宅ローン(*2)の活用も検討できます。

*1 親子リレーローン

親と子供の2世代で、住宅ローンの返済を行うローンです。

*2 リバースモーゲージ型住宅ローン

高齢者向けの住宅ローンです。住宅を担保に融資を受け契約者の死亡時に担保となる住宅を売却して住宅ローン残債を一括返済するローンです。

https://grand-next.jp/journal/2021/02/17/6279.html

住宅ローンを借りる場合は必ずシミュレーションを活用しよう!

住宅ローンを借りる場合、各金融機関のWEBサイトでは、住宅ローンシミュレーションを提供していますので、必ず活用するようにします。必要なデータを入力しますと総返済額や年間返済額、毎月返済額などが出力されます。

入力項目 出力項目
・希望借入金額
・借入期間
・借入金利
(変動金利or固定金利)
・ボーナス返済の有無
・総返済額(元金・利息)
・年間返済額
・毎月返済額
・諸費用
(事務取扱手数料、司法書士報酬、抵当権設定登録免許税、印紙税)

住宅ローンシミュレーションを活用することで無理のない返済額となるか否かを判断できます。住宅ローン年間返済額の安心ラインは返済比率:25%前後といわれています。年間返済比率が25%を大きく超過する場合、住宅の購入価格を見直すか頭金を増やして借入金額を減少させるなどの対策が必要です。

*返済比率 = 年間返済額 ÷ 年収 × 100(%)

まとめ

以上、住宅ローンを組める年齢や住宅ローン年齢条件早見表、融資審査項目、借入期間の目安、シミュレーションの必要性について解説しました。住宅ローンを利用する場合、年齢に関係なく事前にライフプランを作成し無理のないローン返済に設定する必要があります。

最近ですと30歳前後で住宅ローンを利用した人たちがコロナ禍の影響で年収が減少し、ローン返済を滞らせる人が一気に増加しています。返済比率を考慮せずに住宅ローンを利用しますと世相の動きに翻弄される結果となります。

住宅ローンを利用する場合、借入時の年齢に関係なく、ローン返済額以外にも、教育費や老後生活費などの資金繰りを併せたライフプランを作成されることをお勧めいたします。