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引っ越しにかかる初期費用の相場を徹底解説!一人暮らしや同棲のシミュレーションと払えない時になるべく安く抑えるポイント

この記事を書いた人
直江編集者
不動産コンサルタント・FP

大学卒業後、一部上場企業に勤め、退職後は大手不動産会社で賃貸物件入居者のコンサルタント業務に従事。アパート経営もしており、これまでの経験とファイナンシャルプラナーの観点から住宅ローンや税制の執筆をメインに担当。

この記事のまとめ
  1. 引っ越しの初期費用は家賃の4.5〜5ヵ月分が相場
  2. 同棲の場合は家賃の6〜7ヵ月分
  3. 初期費用を安く抑える方法11個を紹介!

一人暮らしや同棲をしようと思う時に、気になるのが引っ越しにかかる費用です。引っ越しをするには、どのくらいお金がかかるのだろうかと悩むのではないでしょうか。

引っ越しする際に必要な費用は、運送会社に支払う代金だけでなく、オーナーや不動産会社に支払う敷金や礼金・前家賃・仲介手数料・保証料などさまざまな費用があります

そこでこの記事では、引っ越しを考えている人のために、引っ越しにかかる初期費用の内容や相場・費用のシミュレーション・安く抑えるポイントなどを解説します。引っ越しにかかる初期費用相場を知り、なるべく安く上手に引っ越しするようにしましょう。

引っ越しにかかる初期費用

引っ越しにかかる初期費用
  • 敷金・礼金
  • 前家賃・日割り家賃
  • 仲介手数料
  • 鍵交換費用や消毒料
  • 火災保険料
  • 連帯保証人がいない場合、保証料
  • 引っ越し費用
  • その他

初めて一人暮らしをする人は、引っ越しにお金がどれくらいかかるか不安になりますよね。

 
 

そうだね、入居の際にかかる費用を初期費用といいますが、定価というものはないので、誰でも不安になると思うね。引っ越しにはどのような費用が掛かるか説明しよう。

 

敷金・礼金

敷金はマンションやアパートなどの賃貸物件を借りる際に、入居者がオーナーや不動産会社に預けるお金です。

敷金は次のような意味を持ちます。

敷金とは
  1. 賃料の不払いなどに対する担保
  2. 入居中に故意や不注意で発生した汚れや傷などを、退去する際に補修する原状回復費用

家賃の1ヵ月分程度支払う場合が多いですが、賃借人に過失がない場合には、退去の際に返還されます

注意
礼金は部屋のオーナーに対してのお礼のお金であり、退去する際には返還されません。

家賃の1ヵ月分が目安ですが、近年礼金なしの物件も増加しています。

前家賃・日割り家賃

前家賃とは入居する際に、翌月1ヵ月分の家賃を前払いすること。なお当月になって当月分の家賃を支払うことを後家賃といいますが、オーナーにとってはリスクがあるので現在は少なくなっています。

月中に入居する場合には、入居日から月末までの家賃を日数で割り、入居する日にち分の家賃を支払います。これを日割り家賃といいます。前家賃も日割り家賃も、入居の際に敷金や礼金と一緒に支払います。

仲介手数料

仲介手数料とは、物件の紹介や契約等の手続きをしてくれた不動産会社に支払う手数料です。成功報酬の意味合いを持つので、契約が成立しなかった場合には支払う必要がありません。法律により貸主と借主から合わせて家賃の1ヵ月分が上限と定められています。

MEMO
相場は家賃の0.5カ月~1カ月分+消費税10%が目安で、一般的には貸主と借主がそれぞれ0.5ヵ月分ずつ支払います。

鍵交換費用や消毒料

鍵の交換料は、入居する際に鍵を新しいものに取り換える費用を言います。以前に住んでいた人と同じキーでは防犯上の不安があるので、お金はかかりますが、交換したほうが良いでしょう。シリンダーの価格は15,000~25,000円程度、作業台は10,000円程度になります。

注意
消毒料は、室内の消毒をするための費用で、作業料を含めて20,000円程度ですが、必ず支払わなければならない費用ではなく、通常オプションとして勧められる場合が多いです。

火災保険料

賃貸住宅に入居する際に、火災保険への加入を条件とする物件が多いです一般的には2年契約であり、入居者が選ぶことができますが、加入証明を求められることもあります。15,000円~2万円程度が相場。

連帯保証人がいない場合は保証料もかかる

保証料は、かつては賃貸住宅に入居する際には、連帯保証人を必要としていました。最近では連帯保証人がいない場合には、保証会社を利用することで物件を借りられる場合が多いです。

保証会社は連帯保証人の代わりになるもので、家賃滞納や故意や過失による物件の汚破損をした場合オーナーに対して金銭的な補償をします。連帯保証人がいれば、保証料は不要な場合もありますが、通常は家賃の40~100%程度が相場。また1~2年ごとに1~2万円程度払う物件や毎月家賃の1~2%程度支払う物件もあります。

注意
保証料は、返却されることはありません。

引っ越し費用

引っ越し費用は、荷物の量や引っ越しの時期・移動する距離により異なります

単身の場合の通常期で3万円~7万円程度、繁忙期になると5万円~10万円程度が相場です。二人世帯の場合は通常期で7万~16万円程度、繁忙期になると8万円~25万円程度に跳ね上がります。繁忙期は転勤や入学など人の移動の多い3、4月で、この時期の引っ越しは費用も掛かるのでできれば避けたほうが良いでしょう。

MEMO
荷物が少ない場合にはレンタカーを利用すれば、引っ越し費用を安く抑えられます

なお特に軽トラックは、24時間レンタルで5,000円~8,000程度で借りられ、しかも車幅が狭いので限られたスペースに車を止められます。

その他の費用

引っ越し作業員へのチップは、必ず必要なものではありません。

しっかりした運送会社であればチップを支払わなくても、きちんとした仕事をしてくれるでしょう。しかしチップを渡せば気持ちも伝わり、気持ちよく仕事をしてくれることはあるでしょう。金額は一人当たり1,000円程度×人数分用意しておくとよいです。

近所への挨拶は、今後気持ちよくお付き合いをするためにも行いたいものです。一般的にマンションなら上下左右の4件、一戸建てなら向こう三軒両隣。手土産としては1,000円未満の心ばかりの品でかまいません。

引っ越しの初期費用は家賃の4.5〜5ヵ月分が相場になっている

 

 

引っ越しにはさまざまな費用が掛かるのですね。

 
 

そうだね。引っ越し費用はだいたい家賃の4.5場合から5倍程度かかると考えておくといいよ。

 

引っ越しにかかる初期費用を家賃価格別でシミュレーション

国交省の令和元年度住宅市場動向調査報告書によりますと、三大都市圏の賃貸住宅の家賃などの契約内容は次のようになっています。

初期費用の平均
  1. 月額家賃…賃貸住宅の家賃の平均は、月額 75,306 円
  2. 共益費…共益費の平均は月額 4,591 円。
  3. 敷金・保証金…61.6%の人が支払ったとしており、家賃の1ヵ月分が55.4%、2ヵ月が29.2%
  4. 礼金…礼金があった世帯は41.7%で、金額は1ヵ月ちょうどが71.7%
  5. 仲介手数料…仲介手数料があった世帯は51.9%で、1ヵ月ちょうどが76.4%
  6. その他の費用…その他の費用があったとする世帯は15.2%で平均額は15,708円

この資料から、引っ越しの初期費用がどのくらいかかるかシミュレーションすると次表のようになります。

項目費用計算根拠
敷金75,306円75,306円×1ヵ月分(共益費は含まない)
礼金75,306円75,306円×1ヵ月分(共益費は含まない)
前家賃・日割り家賃119,845円月中の入居とした場合、翌月分の家賃も支払うので1.5ヵ月分。
79,897円(共益費込)×1.5ヵ月分
仲介手数料75,306円75,306円×1ヵ月分(共益費は含まない)
鍵交換費用15,000円
保証料40,000円家賃の0.5ヵ月分とします(共益費込み)
火災保険料15,000円
合計415,763円 

この表の中で礼金は1ヵ月分で試算していますが、実際には不要としている物件も多いです。またその他の費用として15%の人が15,708円使用していますが、ある程度用意しておいたほうが良いでしょう。

なお、これらの初期費用のほかに、引っ越し代金が掛かります。

同棲の引っ越しにかかる初期費用について

 

カップルの場合の初期費用は、どう見ておいたらいのでしょうか。

 
 

そうだね、新たに物件を探して二人で引っ越しする場合には、一人で引っ越しをするよりお金がかかることを覚悟していたほうが良いね。しかし今住んでいる家にどちらかが引っ越す場合には、費用は少なくて済むね。

 

新居を借りる場合の初期費用は家賃の6〜7ヵ月分+引越し費用

カップルで新居を借りる場合の初期費用は、家賃の6〜7ヵ月分用意しておいたほうが良いでしょう。単身者と比べて、家具や家電など新たに用意しなければならないものも多くあります。したがって9万円の家賃の賃貸物件に住む場合には、54万円~63万円程度必要になります。

注意
引っ越し代金についても、2人分必要になってきます。初期費用はお互いが分担しても思わぬ出費になる可能性もあるので、しっかりと準備することが大事です。

片方の家に住む場合は「二人入居可」の物件でなければならない

一人一人で住んでいた人が、どちらかの住宅に同棲すればさまざまな費用を抑えられます。

新たに敷金や礼金・前払い家賃・仲介手数料・保証料などの初期費用が掛からないので、必要な費用は引っ越し代金だけ!家賃の負担も半分になれば、生活に余裕ができることでしょう。

どちらかの住宅に住むときに、単身者限定としていない物件の場合には二人で入居できる可能性があります。

注意
しかし単身者用物件としている場合には、二人でも入居できるかどうかあらかじめオーナーに確認しておく必要があります。万が一契約違反となった場合、契約を解除されたり違約金が発生する可能性もあります。

また二人入居可としている物件であっても、入居者などの状況に変化があればオーナーや管理会社にその旨連絡しなければなりませんし、二人入居の物件でなくても、あらかじめオーナーに相談すれば可能になる場合もあります。

引っ越しにかかる初期費用が払えない!なるべく安く抑えるポイント

 

運送会社に支払う以外にも、引っ越しの初期費用は随分かかるのですね。

 
 

それでは、引っ越しの初期費用を安く抑える方法について説明しよう。

安く抑えるポイント
  1. フリーレント物件を選ぶ
  2. 礼金なしの物件を選ぶ
  3. 値下げ交渉は閑散期の5~8月に
  4. 初期費用をクレジット分割払いにする
  5. 保証会社ではなく保証人をつける
  6. 家具家電付きの物件を選ぶ
  7. キャッシュバック等の特典を利用する
  8. 引っ越しの見積もりは複数業者に
  9. フリー便を利用する

引っ越しの初期費用が払えないならフリーレント物件を選ぶ

フリーレントとは、一定期間家賃が無料になる物件のこと。

フリーレントの物件は、1ヵ月・2ヵ月間など家賃が無料の特典が付くので、費用を抑えたい人にとっては大変お得です。ただし一定期間住まないと、違約金を支払分ければならないなどの条件を付けられる場合や家賃が少し高めに設定されていることも。したがって契約の際には、条件を確かめたうえで契約するようにしましょう。

MEMO
フリーレント物件だけでなく、敷金や礼金・仲介手数料・日割り家賃などが無料の物件もあります。不動産会社に相談すれば特典を利用できる場合もあるので、必ず確認するようにしましょう。

礼金なしの物件を探す!敷金はあった方が安心

礼金ナシの賃貸物件を探すことができれば、引っ越しにかかる初期費用を抑えられます。礼金は通常家賃の1・2ヵ月分が相場なので、7~15万円もの削減が可能になります。礼金はオーナーに対するお礼の意味合いを持つもので、敷金と異なり戻ってくるものではありません。短期間の入居であれば、礼金をナシにすることによって多少の家賃の高さはカバーすることができるでしょう。

敷金はすでに述べた通り、居室を退去する際の原状回復費用です。ハウスクリーニング代として名目を変えたり、保証料や家賃などを高く設定している場合もあります。退去した後には、オーナーは必ずクリーニングを行い原状回復工事も行うものなので、むしろ敷金はあったほうが安心と言えます。

家賃や礼金の値下げ交渉を閑散期の5月〜8月に行う

家賃や礼金は、不動産会社やオーナーとの交渉により値下げできる場合があります。

現在は敷金や礼金を2ヵ月以上必要とする物件は少なく、相場に合わせた金額を設定しているのが一般的です。そのため値下げ交渉は難しくなっていると言えるでしょう。

ただし交渉の方法によっては、値下げが可能な場合があります。繁忙期は、不動産会社は問い合わせや契約などで忙しく、いくら交渉をお願いしても話を聞いてくれない場合が多いでしょう。しかし閑散期の5月~8月頃に値下げ交渉を行えば、交渉に乗ってくれる可能性はあります。

MEMO
値下げ交渉のポイントは、必ず入居すると確約すること。その上で礼金または敷金の値下げ交渉を行います。

家賃は一度値下げすると継続していくものなので、大きく値下げに応じてもらえる場合は少ないでしょう。むしろ日割り家賃やフリーレントは、一時的に支払うものなので交渉に乗ってもらえる可能性があると言えます。

初期費用をクレジットカード等で分割払いする

敷金や礼金・仲介手数料・前払い家賃などの初期費用をクレジットカードで分割支払いできる物件もあります。しかしその場合、金利手数料が発生する可能性もあります。利用できる範囲は不動産会社によって異なりますので、あらかじめ確認しておきましょう。クレジットカードを利用するメリットは、手元にお金を残せるだけでなく、ポイントがたまるのも魅力です特に初期費用は大きな金額になるので、ポイント数も大きくなります。

仲介手数料がなるべく安い物件を選ぶ

仲介手数料の上限は1ヵ月以内と決められていますが、下限は決められていませんしたがって、仲介手数料のなるべく安い物件を選んだほうがお得です。一般的に仲介手数料は借主と貸主が折半しますが、借主の部分を無料としたり安く設定しているケースもあります。またすでに述べたように、仲介手数料が高い場合には値引き交渉に応じてくれる不動産会社も。

連帯保証人がいるなら保証料が不要にできる

かつては連帯保証人がいない場合に、代替として保証会社が利用されていました。しかし最近は、保証会社を利用することが一般的になりました。ただし保証会社を利用するには、家賃の0.5ヵ月分程度の費用を用意しなければなりません。また契約を更新するたびに、同額の費用が発生します。

MEMO
連帯保証人を立てることで保証料が不要になれば、初期費用の大きな削減になります。

家具家電付きの物件であれば引っ越し費用を安くできる

家具・家電付きの物件を選べば、購入代金が不要になるので、引っ越しの初期費用を抑えられます。したがって賃貸物件に短期間だけ住もうと考えている人にとっては、利用価値は大きいと言えるでしょう。

注意
しかし備え付けられた家具や家電が、必ずしも気に入ったものではないかもしれません。そのような場合にはストレスになることもあるでしょうし、一般的に家賃も割高になることが多いのでよく検討する必要があります。

キャッシュバック賃貸などの契約で祝金がもらえる特典なども活用する

キャッシュバック賃貸のサイトで契約した場合には、引っ越し祝い金をもらうことができます。祝い金のもらい方は、会員登録をして物件を選び契約をするだけ。お祝い金は5,000円~1万円程度で、早ければ1週間程度で遅い場合でも2ヵ月以内に指定の口座に振り込まれます。

複数の引っ越し業者から見積もりを取る

引っ越し業者を依頼する場合には1社で見積もりを取るのではなく、複数の業者に見積もりを依頼しましょう。同じ条件で見積もり依頼をしても、引っ越しには決まった価格はないので業者によって大きな差が出てくる場合があります。

ネットでは引っ越し業者の一括見積サイトもあるので、簡単に複数社の見積もりを取ることができます。お住いの住所・引っ越し先・引っ越し日・荷物の数などを入力すれば、複数の業者から見積もりが送られて来るので、引っ越し料金の安い業者と契約ができます。

フリー便で安くする

フリー便とは、引っ越し日だけ決め、業者の都合に合わせて作業開始時間を決める方法です。引っ越し業者は、トラック便や作業員が空いている時間を作ると、大きな損失になります。そこで業者の空いている時間に合わせて引っ越しができれば料金が安くなります。

MEMO
通常の引っ越しよりも、単身者で15,000円程度、3人家族の場合には3万円程度安くなるでしょう。

まとめ

引っ越しには単身者で30~40万円程度、二人で50~60万円もの費用が掛かります。しかし引っ越し費用に定まった価格はないので、引っ越しの相場を知ることで費用の削減につながります。引っ越しの費用項目はいろいろありますが、一つずつ見ていくと安く抑えることのできるものもあります

この記事では、引っ越しの初期費用を安く抑える方法について解説しましたので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。