住宅ローンの本審査・事前審査は複数申し込み可能!審査の違いやおすすめできる理由

この記事のざっくりしたポイント
  1. 住宅ローン審査は他のローンとは異なり申込情報はそれほど問題にならない
  2. 複数の銀行の同時申込は珍しくない
  3. 1つの銀行が複数申込をさせることもある

一般的に、クレジットカードやカードローンなどの多重申し込み(短期間に複数申し込むこと)は避けるべきと言われています。

金融商品への申し込み履歴は一定期間「個人信用情報」に残り、短期間に不自然なほど申し込みがあると「入会キャンペーン目的では」「多重債務者では」と疑われる要因になるためです。

しかし、住宅ローンは例外で、複数の商品を同時に申し込んでも問題はありません。むしろ複数申し込みはおすすめです

その理由を、住宅ローンの審査のカラクリとともに紹介します。

住宅ローンの本審査・事前審査は複数申し込み可能

結論を述べると、複数の住宅ローン商品を同時に申し込むことは問題ありません。

これは、事前審査に限らず本審査も同様です。

住宅ローンの審査基準は金融機関によって大きく異なるため、同条件で申し込んでもA社の審査に落ち、B社の審査には通るといったことがあり得ます。

もし複数の住宅ローンの審査に通れば、契約する住宅ローンを1つ選べばいいだけです。
また、金利などの諸条件は融資実行時に最終決定されます。複数の選択肢を持っておけば、比較してより有利な条件で借り入れることが可能となります。

 

同時に申し込む際、何社くらいが適正なのでしょうか。

 
 

何社でもいいと聞くと気になる住宅ローン商品を手当たり次第申し込みたくなるかもしれませんが、3〜4社程度がおすすめです。

 

申し込みは3〜4社がおすすめ

同時に申し込む住宅ローンの数は何社までと明確に決まっているわけではありませんが、3〜4社ほどがおすすめです

あまりに同時に申し込む件数が多いと、金融機関が「自社で契約してくれるだろうか…?」と疑念を抱くことは容易に想像できますよね。心証が悪ければ審査にも悪影響を及ぼしかねません。

よって、多くても3〜4社程度に止めるのが望ましいでしょう。

注意
住宅ローンの申し込みには書類を揃える手間などもかかるので、これ以上申し込むことはあまり得策とは言えません。

借り換えでも複数社に申し込んでも大丈夫

複数の住宅ローンを申し込んで良いのは、借り換えの際も同様です。

借り換えの場合、担保となる物件の資産価値が下がっていることが多いです。そのため新規申し込み時よりも審査が厳しく行われることもあり、審査に落ちることも珍しくありません。

非承認となる可能性も踏まえ、複数申し込んでおくとスピーディに借り換えを進められます

現在契約する住宅ローンよりも好条件の商品いくつかに申し込み、審査の結果を踏まえて1つに決めれば良いのです。

そもそも事前審査(仮審査)や本審査、一括審査の違いとは?

複数申し込みが問題ないとわかったところで、そもそも事前審査(仮審査)や本審査がどの段階を指すのかわからないという人もいるでしょう。

住宅ローン審査のステップを順に説明します。

事前審査とは

まず1つめのステップとして行われる事前審査では、「返済能力」と「信用力」をチェックします

審査に必要な書類
  • 事前審査申込書の他
  • 源泉徴収票
  • 物件概要書
  • 建築確認済証

返済能力は、主に申込者の属性を元に判断します。年齢、収入、勤務先の情報などが重視されます。

信用情報は、第三者機関に記録されている言わばお金の通知表のようなものです。クレジットカード・カードローンといった金融商品の利用や割賦払いなどの履歴を参照し、返済の遅延や金融事故がないか確認します。

いずれも問題なければ、事前審査は無事クリアできます。

MEMO
なお、事前審査は比較的スピーディで、3日〜1週間程度で結果が通知されるのが一般的です。

本審査とは

次に行われる本審査では、より踏み込んだ審査が行われます。

提出書類も大幅に増え、健康状態の告知書、課税証明書、物件の重要事項説明書、土地・建物の登記事項証明書などを揃えなければいけません。

  • 健康状態に問題がなく、団体信用生命保険に加入できるか
  • 建築基準法の基準を満たす物件か
  • 担保評価は低くないか
  • 仮審査時より借り入れは増えていないか

など、確認される項目は多岐に渡ります。

審査にかかる時間も長く、2週間程度かかります。

一括審査とは

不動産会社によっては「一括審査」を勧めています。

WEBページやアプリなどで簡単に申し込むことができ、ワンストップで複数社への事前審査の申請が完了します。

なお、一括審査で申し込めるのはあくまで事前審査です。本審査は1つしか選べない場合が多いので、本審査は個別に申し込みましょう。

一括審査サービスがあるということは、複数申し込みは推奨される行為なんですね!安心しました。

不動産会社にとっても購入者が住宅ローン審査に通るかは死活問題です。通らなければ売買契約が成り立たない可能性が高いので、一括審査などを勧めています。

住宅ローン審査で複数申し込みをおすすめする理由

住宅ローンの複数申し込みがなぜそんなに推奨されるのか、疑問に思う人もいることでしょう。

理由を読めば、複数申し込みをすべきだと納得できるはずです。

ローン審査には時間がかかるので、遅れる可能性出てくる

前述しましたが、住宅ローンは事前審査に3日〜1週間、本審査に2週間ほどの時間がかかります。トータルで1ヶ月ほど余裕を見て申し込まなければいけません

1社に落ちてから次の候補に当たっていては、時間がかかりすぎてしまいます。

万一審査結果が期日に間に合わなければ、売買契約が解除になってしまうおそれもあります。必ず期日に間に合うようローン契約を交しておかなければいけません。

MEMO
複数の住宅ローンに申し込んでおけば、全ての審査に落ちない限りは物件を手にすることができます。

住宅ローンの審査結果には銀行ごとに有効期限が設けられている

住宅ローンの審査結果は、一度通知されたらずっと有効というわけではありません。

金融機関によって異なりますが、事前審査・本審査ともに60日〜180日ほどの有効期限が設けられています。

1社ずつ申し込んでいては審査の期限が切れてしまい、また一から書類を提出しなければならないといった事態になりかねません。

本審査通過後のキャンセルができる

ローンの本審査申し込みは、イコール契約ではありません。契約していないうちは、キャンセルが可能です。

MEMO
本審査に通った後にキャンセルをしても、個人信用情報に傷がつくようなことはなくデメリットは特にありません。

マイホーム購入をキャンセルをすると手付金が返ってこない

前述したように、融資が決められた期日に間に合わなければ売買契約は解除となるおそれがあります。

その場合、すでに収めた手付金は返ってこない可能性があります。手付金の割合は5〜20%ほどなので、3,000万円の物件を購入予定なら手付金額は150万円〜600万円です。

 

これは致命的なデメリットですね!

 
 

手付金は決して小さな金額ではありませんよね。さらに上乗せで違約金がかかる場合だってあります。

 

なお、買主保護の観点から「住宅ローン特約」が売買契約に含まれていることがあります。この特約は、万一住宅ローンの審査で非承認となった場合、手付金返済の上解除となるといった内容です。

注意
ただし、この特約は住宅ローンの申し込みを不備なく行っていることが前提です。書類の提出を怠るなど、手落ちがあれば適用されない可能性があることを知っておきましょう。

審査で悩む時間を少なくすることができる

事前審査の時点で1社に決めようと思うと、どうしても慎重になってしまいます。住宅ローンを扱う金融機関は数多あり、似た商品もたくさんあるので取捨選択が難しいです。

しかし、ある程度条件を決めれば3〜4社までは絞れます

その3〜4社に一先ず申し込めば良いので、審査までに悩む時間を短縮できます。

住宅ローンの申込情報は審査で問題にならないことが多い

住宅ローンに申し込んだという情報は住宅ローン審査では問題にならないことが一般的です。 なぜなら住宅ローンへの申込情報は他のローンとは性質が異なるためです。

金利によって審査基準が異なるから

住宅ローンは金利によって大きく審査基準が異なります。 ネット銀行のように非常に低い金利で審査が厳しい商品もあれば、高金利を設定して審査基準を緩くしているローンも存在します。

このため住宅ローンでは「金利の低い住宅ローンの審査に落ちたら、金利の高い住宅ローンに申し込む」というのが半ば当たり前です。 住宅ローン審査においては複数回申込をすることが当たり前ですので、審査で問題にならないことが多いのです。

複数の審査に通過して金利を下げることができるから

住宅ローンの借入を検討している顧客の中には複数の住宅ローンに申し込みをして、銀行同士を競合させて金利を引き下げようと考える人もいます。 ネット銀行などではこのような融通は利きませんが、地方銀行などではこのような顧客に対して実際に金利を下げるケースも存在します。

実際に筆者も他の銀行の住宅ローンに申し込んだ人を、自分の銀行の住宅ローンに申し込みをさせて金利を引き下げたという経験があります。

MEMO
このような性質上、銀行側は「顧客が複数の住宅ローン事前審査に申し込むことは珍しいことではない」と考えています。

申込情報が蓄積する理由が他のローンとは異なる

住宅ローンにはそもそも「顧客が複数のローンに申し込むもの」という性質があります。

カードローンなどのように「どこの審査にも通過できないから申し込みを繰り返す」という理由で申込情報が蓄積していくケースが少ないので、住宅ローン審査では複数回の申し込みはそれほど問題にはならないことが多いのです。

複数の銀行の同時申込は珍しくない

住宅を購入した経験がある人の中には最初から複数の銀行の住宅ローンに申し込んだという人も多いのではないでしょうか? ハウスメーカーや住宅ローン比較サイトでは顧客に最初から複数の金融機関の事前審査へ申し込ませているためです。

ハウスメーカーや不動産屋は複数の金融機関の事前審査申込書を持っている

ハウスメーカーや不動産屋にとっては住宅購入を希望する顧客がローンを借りることができるかどうかは非常に重要です。 そのためハウスメーカーや不動産屋は複数の金融機関の事前審査申込書を持っており、同時に申込をさせて審査に通過できた方の住宅ローンを借りさせるということを当たり前に行っています。

一括で申し込むことができるネットサービスもある

また、住宅本舗というネットサービスでは複数の金融機関の住宅ローンの仮審査に一括申込ができます。

このようにハウスメーカー側も住宅ローンを広告する側も当たり前のように複数の金融機関の住宅ローンに申し込みをさせるので、住宅ローンでは申込情報の件数はそれほど問題にならないのです。

1つの銀行が複数申込をさせることもある

住宅ローンに関しては審査を行う側である銀行が複数の住宅ローンに申し込みをさせることもあります。 銀行の中には保証会社が異なる複数の住宅ローンがある場合があります。

保証会社によって審査基準が異なるので審査に通過できるか微妙な顧客は2つの保証会社へ同時申込をさせたり、1社の審査に落ちたからもう1社へ申し込ませるなどということは当たり前に行われ筆者も何回も経験があります。

まとめ

住宅ローンは1社ではなく複数社に同時に申し込みましょう。通常金融商品の同時申し込みはあまり推奨されていませんが、住宅ローンだけは別です。

複数申し込んでおくと、「期日に融資の目処が立っていない」という最悪の事態を避けられる可能性が高いです。

MEMO
銀行側も複数申し込みは当然行われるものとして認識しており、特に審査に影響を及ぼすこともありません。

複数の住宅ローンの審査に通ったら、より条件の良い1つを選択するだけです。金融機関によっては、他社の条件を踏まえて交渉に応じてくれる可能性もあります。