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土地家屋調査士とは?年収、仕事内容、将来性、試験難易度や合格するための方法について

この記事のざっくりしたポイント
  1. 土地家屋調査士とは不動産の表題登記に関する申請の代行を行う仕事
  2. 国家資格のため試験の難易度は高く、合格率も低いため簡単に合格できるわけではない
  3. 完全な独学で合格するのは難しいので、予備校や通信講座を使うのがポイント

「土地家屋調査士の仕事内容ってどんなのがあるんだろう?」

「土地家屋調査士の試験ってどのくらいの難易度なのか知りたい」

上記のように考えている方は多いですよね!土地家屋調査士は不動産取得をする過程において外すことのできない仕事であり、今後もさまざまな面で需要が高まっていくと期待されている将来性の高い職業です。今回は以下について解説します。

土地家屋調査士について解説する内容
  1. 土地家屋調査士の基本情報
  2. 土地家屋調査士の仕事内容
  3. 土地家屋調査士の年収や将来性
  4. 土地家屋調査士の資格取得難易度
  5. 土地家屋調査士試験に合格するための方法や試験概要

では、さっそく「土地家屋調査士の基本情報」について見ていきましょう!

国家資格の土地家屋調査士とは

土地家屋調査士とは不動産の表題登記に関する申請の代行を行う仕事であり、立派な国家資格として認定されています。国家資格だけあって公共性が高く、表題登記の申請代行を行う資格があるのは「土地家屋調査士」のみです。

登記の変更は不動産の権利の移転、新築、増築をする際に必ず発生するため、そのたびに土地家屋調査士に仕事が舞い込んできます。登記申請は高度な法律知識と厳密な測量技術が必要となってくるため、土地家屋調査士の需要は高いといえます。

2021年(令和3年)の土地家屋調査士試験の申し込み・受付は終了

すでに今年度の土地家屋調査士試験の申し込み・受付は終了をしています。例年土地家屋調査士の試験は毎年10月の第3週の日曜日に開催をされています。今年度の試験は2021年10月17日(日)に例年通り実施されます。

土地家屋調査士の仕事内容

土地家屋調査士の仕事内容は年々幅広くなってきており多様化してきています。ここでは土地家屋調査士がいったいどのような仕事をしているのかを紹介していきます。仕事内容としては以下の5つがあります。

【仕事内容】

仕事内容
  1. 土地・建物に関する調査や測量
  2. 不動産の表題登記に関する申請手続きの代行
  3. 地籍整備への貢献
  4. 公共事業などの登記の整備
  5. 筆界特定やADR

では、それぞれ見ていきましょう!

土地・建物に関する調査や測量

不動産の新築や売買などを行った場合に不動産の形が変化をするため、登記の変更や新規作成が必要になってきます。登記のための必要な調査・測量の業務を一括で承るのが土地家屋調査士の仕事です。業務を行う上ではさまざまな資料や隣接している方々の意見を参考にしつつ、境界線の確定や測量を行っていくのでコミュニケーション能力も必要となってきます。

不動産の表題登記に関する申請手続きの代行

不動産登記は所有者が本来申請の手続きをすることが法律で義務付けられていますが、その手続きは複雑なものになっています。そのため所有者に代行して不動産登記の申請手続きを行うのも土地家屋調査士の重要な仕事の一つです。調査・測量の結果をもとにして登記申請に必要な書類を作成して法務局まで提出しに行きます。

地籍整備への貢献

また土地家屋調査士は「地籍整備」と呼ばれる事業にも貢献することが期待されています。「地籍整備」とは土地の面積、所有者、地番などの情報を明確にすることを指しています。現在この地籍整備事業にさまざまな支援金や補助金が出るほど国や政府は力を入れています。

MEMO
今後、日本はますます空き家物件が増えると言われているだけに地籍整備事業に欠かすことのできない土地家屋調査士の活躍が期待されています。

公共事業などの登記の整備

公共事業などの官公庁にかかわる登記のトラブルも多いため登記行政を円滑に運営するためには、土地家屋調査士の協力が必要です。そのためにも官公庁は「公嘱協会」と呼ばれる土地家屋調査士が集まっている団体に調査を依頼するほどです。

筆界特定やADR

土地の法律上の境界である「筆界」は中にはトラブルの要因になりかねないものも存在するため、そのトラブルを解決する手段として「筆界特定制度」というものがあります。土地家屋調査士は、この「筆界特定制度」に関する業務を所有者に代行して行うことができます。

また、土地家屋調査士が弁護士と一緒に「ADR(裁判外紛争手続き)」を利用することで、裁判をせずとも筆界特定に関するトラブルを処理することも可能です。裁判は費用、時間ともにかなり取られるので土地家屋調査士に筆界特定とともにADRを依頼する方も増えています。

土地家屋調査士の年収や将来性について

ここまで土地家屋調査士の仕事内容などについて解説をしてきましたが今後仕事がなくなったりしないのかや、肝心の収入がどのくらいなのかは気になるところですよね!ここでは土地家屋調査士の年収と仕事の将来性について解説をしていきます。

土地家屋調査士の年収は400万円〜500万円台が多い

土地家屋調査士の年収は一般的に400万円台~500万円台が多いです。日本人の平均年収は国税庁の調査で約440万円(引用:国税庁 2018年度 民間給与実態統計調査結果)なので、日本人の平均年収かそれより少し上の人が多いようです。

MEMO
ただし独立をしている土地家屋調査士はさらに高い年収を得ている可能性はあります。

独立開業も可能な仕事

土地家屋調査士は会社や土地家屋調査士事務所に勤務する他にもその専門性を活かして独立開業することも可能です。独立開業をすれば土地家屋調査士として年収をあげることも夢ではありません。ただし土地家屋調査士としてなりたてでいきなり独立するのはするのは難しいので、まず土地家屋調査士事務所に所属しながら、そこで実務経験を積みつつ独立の準備を進めることをおすすめします。

MEMO
また行政書士などの資格をとることで権利登記の業務も一気通貫で行うことができるため、開業後には司法書士・行政書士の資格取得に向けた勉強を業務と並行しながら行う方もいます。

仕事がなくなる心配はなく将来性は大きい

土地家屋調査士は公共性が高く不動産登記にかかわる重要な業務を独占できるため、仕事がなくなる心配はありません。また先ほど解説した通りで今後さらに急増する空き家の筆界特定などでも活躍が期待をされており、将来性や社会意義の大きい仕事と言えます。

注意
ただし土地家屋調査士同士の競争は激しいので更新される法律の知識などは常に勉強をし続ける必要があります。

土地家屋調査士の資格取得難易度

将来性が保証をされており年収もある程度期待が持てる土地家屋調査士ですが、資格を持つためには「土地家屋調査士試験」を合格しなければなりません。では、その土地家屋調査士試験の合格率や難易度はどのくらいなのでしょうか?ここでは土地家屋調査士の資格取得難易度を試験合格率の観点から解説していきます。

平成25年(2013)~令和元年(2019)の土地家屋調査士の合格率

平成25年(2013)~令和元年(2019)までの土地家屋調査士試験の受験者数、合格者数、合格率についてまとめた表を作成したので、参考にしてください。

和暦(西暦)受験者数合格者数合格率
平成25年(2013)4,700人412人8.77%
平成26年(2014)4,617人407人8.82%
平成27年(2015)4,568人403人8.82%
平成28年(2016)4,506人402人8.92%
平成29年(2017)4,600人400人8.69%
平成30年(2018)4,380人418人9.54%
令和元年(2019)4,198人406人9.68%

合格率は例年一桁となっており国家資格の中でも難易度は高い

土地家屋調査士試験の合格率は例年10%を切っており、試験を突破するのは難関です。合格率だけで言えば一級建築士や宅地建物取引士よりも低くなっています

土地家屋調査士試験に合格するための方法や試験概要

では土地家屋調査士に合格するためにはどのような勉強方法を選んだほうがよいのでしょうか?ここでは試験に合格するための勉強方法や試験の概要について解説をしていきます。

土地家屋調査士試験の試験概要

土地家屋調査士試験の試験概要は以下の通りです。2021年度の試験概要を表でまとめましたので、来年度の試験の参考にしてください。

【試験概要】

項目詳細内容
受験資格誰でも受験可能
試験日程筆記試験:2021年10月17日(日) 
午前の部9:30~11:30                 
午後の部13:00~15:30   
口述試験:2022年1月27日(木)         
試験結果発表筆記試験合格者発表:2022年1月12日(水)16:00~
最終合格者発表:2022年2月18日(金)16:00~
試験問題筆記試験:民法に関する知識、
登記の申請に関する知識や作図問題など
口述試験:登記の申請に関する知識や
土地家屋調査士の業務に関する知識

測量士補試験に合格した人は午前中の試験が免除される

上記の試験概要で記した通り筆記試験のは午前の部と午後の部で分かれていますが、「測量士補」の試験に合格をしている人は午前の部の試験を免除で午後の部を受験することが可能です。土地家屋調査士の午前の部の試験は午後の部に比べると難易度が非常に高いため合格率を下げる要因となってしまいます。測量士補の資格は比較的取りやすいので受けに来る人たちはまず測量士補の資格をとってから土地家屋調査士の試験を受けに来るケースが多いです。

MEMO
なお、測量士補の試験は例年7月初旬に合格発表があるため7月後半から願書受付が始まる土地家屋調査士の試験には十分に間に合います。土地家屋調査士の試験を少しでも楽にしたいのであれば、まず測量士補の資格を取得してから受験することをおすすめします。

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完全な独学で合格するのは難しいので、予備校や通信講座を使う

土地家屋調査士の試験は測量などの専門的な知識が必要になるため、完全な独学で合格をすることは難しいです。良質なテキストも満足にないので予備校や通信講座のテキストや問題集を使って実力をつけていきましょう。問題の作図に必要な定規も予備校などで購入することができます。

MEMO
また作図に関しては試験に詳しい第三者などに採点をしてもらい、フィードバックをもらってください。問題を繰り返し解いていくことで、合格に近づくことができます。

まとめ

今回は土地家屋調査士の年収、仕事内容、将来性や試験に合格するための方法について解説しました。土地家屋調査士は国家資格なので基本的に仕事と収入は安定して入ってきますし、将来性も高い魅力的な職業と言えます。ただ国家資格のため試験の難易度は高く、合格率も低いため簡単に合格できるわけではありません。

毎日の継続した勉強と通信講座、予備校や第三者を有効活用することで合格への道は開けます。記事で紹介した勉強方法を参考にして試験合格を目指してください!

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