このサイトの表記には、プロモーション広告が含まれています。

住宅ローンがチャラになった人も!返済中に死亡したら免除になるケースや手続きを解説!

この記事を書いた人
小島 優一
宅地建物取引士

宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士。生命保険会社にてリテール業務に従事した後、2014年に不動産仲介会社であるグランドネクスト株式会社を設立。 2021年より幻冬舎ゴールドオンラインにて不動産を通じて財産を守る、増やす、残す記事を連載している。 >> 詳細はこちらから

この記事のまとめ
  1. 住宅ローンの返済がチャラになった人の体験談!
  2. 住宅ローンの契約者が死亡したら免除になるケース・ならないケース
  3. 住宅ローンの債務者が死亡した場合の手続きについても紹介

住宅ローンを契約すると、その後返済が20年、30年と長期に渡って続きます。その間健康で安定して収入を得られれば問題ありませんが、生きていく以上病気や事故などあらゆるリスクが伴います。

万が一債務者が死亡した場合、その後の住宅ローンの返済はどうなるのでしょうか。免除されるのでしょうか。

本記事では、債務者死亡後の住宅ローンについて解説します。

「住宅ローンの債務者である旦那が死んだらどうしよう」「契約者が亡くなった場合の手続きは?」「住宅ローンの連帯債務者が死亡した場合は?」等の疑問をお持ちの方はぜひご覧ください。

住宅ローンは一定の状況になれば返済が免除となります!チャラになった人の体験談もご紹介しているので、万一に備えて条件や契約者が死亡した際の手続きの方法をしっかり把握しましょう。

癌で住宅ローンがチャラになった人も!体験談(X・知恵袋など)

住宅ローンがチャラになった人体験談(X・知恵袋)

実際に住宅ローンの債務者が癌などの病気になった場合や死亡した場合に、支払いが免除になった事例はあるのでしょうか。

住宅ローンの支払いがチャラになった事例をX(旧Twitter)や知恵袋などをもとにご紹介いたします。

癌保障付きの住宅ローンで支払いがチャラになった人(X)

友人が癌で住宅ローンの支払いがチャラになった(知恵袋)

友人がこの間、ガンと診断されたから住宅ローンがチャラになったと言うんです

引用:YAHOO知恵袋

元夫が死亡した際に住宅ローンの支払いが免除された(X)

脳梗塞で住宅ローンが免除になった(ブログ)

僕は29歳で脳梗塞を発症しました。後遺症として手足の震え、、眼振、目眩、運動失調等が残りました。まだ家を買って3年ほどでこれからも住宅ローンを払い続けなければなりません。体が万全でない状態であと約30年のローンを払い続けるというプレッシャーは精神的にも辛いと感じていました。そんな時、先日主治医の先生に書いていただいた診断書を住宅ローンの保証会社に提出したところ2,000万円の住宅ローン全額を保障していただけると銀行から連絡がありました\(^o^)/!!

引用:ソボクブログ

癌で住宅ローンの支払いがチャラになった(ブログ)

夫婦で住宅ローンを払い続けていましたが、4年経った時に私の胃がんが発覚。

がん保険や入院保険に加入していたことで治療費を支払ってもあまりあるリターンをいただきました。

引用:うさこちゃんと暮らし

契約者が癌などになったことや死亡したことで住宅ローンの支払いが免除され、チャラになったという口コミをご紹介しました。

最後にご紹介したブログ「うさこちゃんと暮らし」運営者は、夫婦で住宅ローンを組んでおり、奥様が癌になられたため、奥様の分である住宅ローンの3割の支払いが免除されたとのことです。

しかし上記のような場合に必ずしも支払いが免除されるされるとは限りません。

住宅ローンが免除になる条件は金融機関によって様々です。癌保障付きの住宅ローンに加入にしていても、癌のステージなどによっては住宅ローンがチャラにならない場合もあります。

この後の章で免除されるケーズと免除されないケーズをご紹介いたします。

住宅ローンの契約者が死亡したら返済は免除になる?

住宅ローンの債務者が死亡したら返済は免除にほぼ免除になる

住宅ローン返済中に契約者・債務者が死亡したら、その時点で住宅ローンの返済が免除となることがほとんどです。これは契約者(債務者)が団体信用生命保険(通称団信)に加入しているためです。団信とは債務者が死亡または高度障害状態になった場合、生命保険会社から住宅ローン残高が保険金として支払われる保険です。

団信の保険料は住宅ローン金利の中に含まれています。団信への加入を利用条件としている住宅ローンが多いので、ほとんどのケースで返済が免除になると言ってよいでしょう。ただし例外はあるので後ほど詳しく解説します。

高度障害は団体信用生命保険の対象

先ほど少し触れましたが団信の保障は死亡だけではなく高度障害状態も対象です。高度障害状態とは以下のいずれかの状態を指します。

高度障害状態
  • 両眼の視力を全く永久に失ったもの
  • 言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
  • 中枢神経系・精神または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
  • 両上肢とも手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  • 両下肢とも足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  • 1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったか、またはその用を全く永久に失ったもの
  • 1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの

参考:Q.高度障害保険金を受け取れるのは、どんなときなの?|公益財団法人 生命保険文化センター

いずれもかなり重い状態です。さらに「永久に」「終身」といった文言が含まれており、医師により「回復の見込みがない」と診断されている場合に該当します。

 

団信があれば一家の大黒柱を万一失っても遺族は家に住み続けられるんですね!

 
 

その通り。だから団信に加入しないという選択を安易にしないよう注意してくださいね。

 

住宅ローンの契約者が死亡しても免除にならないケース

住宅ローンの債務者が死亡しても免除にならないケース

団信があるからこそ住宅ローン返済中に契約者・債務者が死亡しても遺族は住宅ローンの支払いが免除になり、債務を負わなくて済みます。裏を返せば団信に加入していない、あるいはせっかく加入した団信が効力を失っていれば、債務が残るおそれがあります。

団体信用生命保険に未加入だと債務者死亡後も支払いが残る

団信の加入が条件に含まれる住宅ローンがほとんどですが一部任意加入のものもあります。代表的なのはフラット35。フラット35には団信加入義務がありません。そのためフラット35を利用し団信(団体信用生命保険)未加入だった場合は当然ながら死亡後も遺された家族が住宅ローンの返済を継続しなければなりません。

住宅ローン返済の延滞により団信の契約が失効していた

住宅ローンの返済が滞ると団信の契約が失効するおそれがあります。団信の保険料は住宅ローン金利に含まれていると先述しました。そのため住宅ローン返済を滞納すると団信の保険料も保険会社に支払われず一定期間そのままにすると契約が失効してしまいます。住宅ローン返済の滞納にはこのような重大なリスクもあることを知っておきましょう。

親子や夫婦で住宅ローンを契約している

住宅ローンは複数人の債務者が返済する方法もあります。この場合、債務者の1人が死亡すると住宅ローン残債はどうなるのでしょうか。夫婦で住宅ローンを組む場合には「収入合算」「ペアローン」という2つのパターンがあります。収入合算とは夫婦2人の収入を元に借入額を算出する方法で団信に加入できるのはどちらか一方のみです。

団信に加入していない方が亡くなっても返済免除とはならず返済負担が1人にのしかかりますペアローンは夫名義の住宅ローンと妻名義の住宅ローンの2本を契約する方法で、夫婦ともに団信へ加入します。ペアローンを利用している夫婦のどちらかが亡くなった場合、亡くなった人の分の債務だけが免除となり、残りの返済は続きます。

また親子で住宅ローンを組む「リレーローン」を利用する場合も注意が必要です。リレーローンでは団信に加入できるのは子のみである住宅ローンがほとんどです(一部金融機関の住宅ローン、フラット35では親も加入できる場合あり)。そのため、親が亡くなっても債務は無くならず、子が返済を続けていかなければなりません。

まとめると以下の通りです。

  • 夫婦で住宅ローンを契約
    • 収入合算(連帯債務や連帯保証):契約者死亡の場合は返済免除、連帯債務者・連帯保証人が死亡しても免除とならない
    • ペアローン:夫婦どちらかが死亡したら一部は返済免除となるが債務は残る
  • 親子で住宅ローンを契約
    • リレーローン:親が死亡しても債務は残り、子が引き継ぐ
 

その他、団信加入時に告知義務違反があった場合、加入後一定期間内の自殺など、死亡しても返済が免除とならないケースがあります。

 

 

住宅ローンの債務者が死亡した時の手続き|旦那が死んだらどうする?

住宅ローンの債務者が死亡した時の手続き

「住宅ローン債務者である旦那様(奥様)が死んだら手続きはどうしたら?」

このように契約者が死亡した際に手続きにとまどう方もいるでしょう。

この章では、住宅ローンの契約者が死亡した場合に取るべき手続きについて解説します。

保険金の請求手続き

死亡したことを知らせなければ住宅ローンの返済が継続してしまいます。まずは速やかに保険金の請求手続きを行いましょう。手続きは以下の手順で行います。

保険金の請求手続きの手順
  1. 金融機関へ死亡した旨を連絡
  2. 金融機関から受け取る「団信弁済届」へ記入・必要書類を添えて提出
  3. 金融機関から完済を証明する書類一式が送られる

必要書類は死亡証明書または死亡診断書、死亡記載のある住民票です。高度障害状態の場合は別の書類が必要ですが基本的な流れは同じです。また団信の請求手続きは以上ですが、この後所有権の移転や抵当権の抹消といった手続きも必要です。

保険金は3年で時効を迎える

保険金の請求は死亡後速やかに行うのが望ましいです。必要書類を金融機関に提出しなければ住宅ローンの返済が続いてしまいます(手続きが済めば過払い分は返還されます)。さらに生命保険の保険金請求には3年という時効が設けられています。

注意
時効を迎えると保険金を請求できなくなるおそれがあるため早めに手続きを済ませましょう。

団信未加入の場合は相続者が債務を引き継ぎ返済していく

団信未加入の場合は債務者の相続人が住宅ローンを引き継ぎ返済していきます。相続人が複数いる場合は返済能力のある相続人1人にローンを引き継ぐのが一般的です。しかし住宅ローンの借入額は決して小さくないため返済が難しいというケースが多いでしょう。その場合は相続放棄を検討してください。相続放棄は相続発生後3カ月以内に家庭裁判所で手続きをしなければなりません。

 

いきなり数千万円もの債務を負うことになったら、人生が狂うおそれがありますね…

 
 

住宅ローンを契約するほとんどの方が団信に加入するとは思いますが、もし加入せずに住宅ローンを組むことを検討しているのであれば、万一のことを家族と話し合っておくのが得策です。

 

 

まとめ

住宅ローンの債務者が亡くなると住宅ローンの返済が免除となることがほとんどです。ただし稀に免除とならない場合もあります。それは団信未加入であったり、住宅ローンを滞納していたりするケースです。特に夫婦で住宅ローンを組む収入合算やペアローンには注意が必要です。

これらの方法で住宅ローンを組んでいる人は比較的多いと思うので債務が免除となるケース・ならないケースを事前に確認しておいてください。団信は遺族の生活を守る大切な存在であることがおわかりいただけたでしょうか。夢のマイホームと引き換えに大きな債務を負うわけですから、万一の備えについてもしっかり考えておきましょう。