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住宅ローンの賢い借り方徹底解説!審査や融資までの流れとシミュレーションや借入後の手続きについて

この記事を書いた人
中村 昌弘
不動産コメンテイター

都内の私立大学を卒業後、新卒採用で不動産ディベロッパー勤務。 不動産の用地仕入れや、分譲マンションの販売・仲介などを手掛ける。 2016年に独立して以降、不動産関係のライティングも業務の1つに。

この記事のざっくりしたポイント
  1. 固定金利ではなく、変動金利を選んでおくのがおすすめ
  2. 20代など借入は早い方が有利になる
  3. 住宅ローンを選ぶときは諸費用含む総費用で選ぶのが良い

マイホームを購入する際、多くの人が利用することになるのが住宅ローンです。とはいえ借り方がわからない人や、本当に融資が受けられるのか不安に思う人も多いでしょう。この記事では、融資の流れやシミュレーション、手続き方法など住宅ローンにまつわるすべてを解説します。

住宅ローンの借り方!申し込み、審査から融資までの流れを解説

さっそく住宅ローンの申し込み方法、審査から融資までの流れを解説します。住宅ローンをはじめて利用する人でも、流れを知っていれば落ち着いて対応できるはずです。

 

まずは流れを把握しよう!実際は不動産会社の担当者が案内してくれるものの、自分でも知っておいた方が良いです。

 

STEP.1 購入物件を決め、住宅ローンの申し込みをする

まずは購入希望の物件を決め、住宅ローンの申し込みをします。住宅を買うときは不動産会社やハウスメーカーなどから提携している金融機関の住宅ローンを紹介されることが多いでしょう。こうした提携ローンを利用するのも良いですが、もちろん自分で他の金融機関を探すこともできます

住宅ローンは都市銀行、地方銀行、信用金庫、ネット銀行などさまざまな金融機関が扱っています。金融機関のホームページに詳細な情報が掲載されていますので、それぞれの特徴を確認しましょう。住宅価格の見積もりがわかったら、住宅ローンの事前審査を申し込みます。

 

自分で探すパターンも多いんですか?

 
 

私の経験上は、提携ローンを利用する場合が多いね。なので、自分で銀行に電話して…みたいなパターンは少ないと思うよ。

 

STEP.2 事前審査と不動産売買契約を進める

住宅ローンの審査は通常事前審査と本審査の2段階でおこなわれます。事前審査の申し込みと並行して不動産会社やハウスメーカーと不動産の売買契約を進めましょう。事前審査と本審査については後ほど詳しく解説します。

STEP.3 事前審査通過後は本審査に進む

事前審査で問題がなければ不動産会社と売買契約、もしくは工事請負契約を締結します。それと同時に本審査に進みましょう。提携ローンなら不動産会社の担当者が案内してくれます。

STEP.4 住宅ローンの契約と融資実行

本審査に通ったら金融機関と住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)を結びます。この時点で住宅ローンの金利タイプや返済期間などが決まります。住宅ローン契約がすんだら、あとはローンが実行され、借りたお金が指定の口座に振り込まれるのを待ちましょう。住宅ローンの実行は原則、物件の引き渡しと同時に行われます。

住宅ローンの事前審査と本審査の違い

先ほど住宅ローンの流れでも説明したとおり、住宅ローンには事前審査と本審査があります。どのような違いがあるのか、審査時の注意点も含めて解説します。

住宅ローンの事前審査とは

住宅ローンの事前審査とは金融機関が契約者にローン返済能力があるかどうかを確かめるための審査です。申し込みのタイミングは不動産会社や施工会社と「契約する前」になります。審査結果は数日から1週間程度で判明することがほとんどですが、借入金額や収入により、期間は短くなったり長くなったりすることもあるでしょう。

事前審査では借入希望金額と借入可能額を比較し、無理のない返済ができるかを判断されます。自動車ローンやカードローン、携帯電話の割賦契約などの返済で滞納が多いと、たとえ収入などの条件を満たしていても審査に落ちる可能性があります。  事前審査で準備しておく必要書類は一般的に次の通りです。

事前審査で準備しておく必要書類
  1. 申込書
  2. 源泉徴収票(または確定申告書)
  3. 課税証明書または住民税決定通知書(給与所得者のみ)
  4. 健康保険証
  5. 本人確認資料(運転免許証、パスポートなど)

 

事前審査はどれだけ厳しく審査されるんですか?

 
 

「事前」とはいえ、信用情報(過去の延滞歴)もきちんとチェックするから、本審査と審査の厳しさはほぼ変わらないよ。

 

住宅ローンの本審査とは

住宅ローンの本審査とは、金融機関と信用保証会社が契約者や物件についてより詳しく確認するための審査です。事前審査よりも確認項目が多くなるため、審査に要する期間は長くなります。通常は10日~2週間程度です。本審査では事前審査と同様、収入や他に借入があるかどうかなどを改めて返済能力を確認します。それに加え、団体信用生命保険に加入できるかどうかも確認されます。(フラット35など団体信用生命保険の加入が不要な住宅ローンもあります。)

注意すべき点は事前審査に通ったからといって必ず本審査も通るとは限らないことです。例えば事前審査通過後にカードローンを滞納してしまったり、新たに自動車ローンを借りてしまったりすると、本審査が通らなくなることもあるのです。また担保となる物件を精査した結果、本審査で不承認になるケースもあります。事前審査に通ったからといって油断は禁物です。

金融機関によって求められる書類は異なりますが本審査で準備しておく必要書類は次のとおりです。

本審査で準備しておく必要書類
  1. 源泉徴収票(または確定申告書)
  2. 課税証明書または住民税決定通知書(給与所得者のみ)
  3. 健康保険証
  4. 本人確認資料(運転免許証、パスポートなど)
  5. 住民票(家族全員が記載されたもの)
  6. 印鑑証明書
  7. 通帳(預金口座)のコピー
  8. 不動産売買契約書、重要事項説明書
  9. 実印

 

事前審査は通ってて本審査に落ちるパターンもあるんですか?

 
 

少ないけどあるよ。特に勝手に転職してしまった…借入を起こしてしまった…というパターンが多いかな。引き渡しまでは、転職や他の借入は避けよう。

 

 

借入可能額のシミュレーションと計算方法

住宅を購入するにあたって気になるのは「住宅ローンでどのくらいの金額を借りられるか」ということでしょう。そんな疑問を解消するためには、借入可能額をシミュレーションすることをおすすめします。

借入可能額のシミュレーションが必要な理由

そもそもなぜ借入可能額のシミュレーションが必要なのかというと、借入可能額によって購入できる物件の金額が変わるからです。例えば総費用2000万円の住宅を購入したいと思っても、借入可能金額が1000万円であれば、その住宅の購入は難しいということになります。この場合、頭金を準備する、住宅の設計を見直し価格を下げる、収入が増えてから改めて購入を考える、などといった対応が必要となるでしょう。

MEMO
購入予算を決定するために借入可能額のシミュレーションは必要なのです。

借入可能額の計算方法

では実際に借入可能金額を計算してみましょう。シミュレーション条件は次のとおりです。

  • 年収500万円
  • 返済期間35年
  • 返済負担率35%
  • 審査金利4%

住宅ローンの借入可能額は「借入可能額=住宅ローンの月返済可能額(円)÷審査金利での100万円あたりの月返済額(円)×100万円」の計算式から求めます。まず「住宅ローンの年間返済可能額」から考えましょう。「住宅ローンの年間返済可能額」は年収500万円×返済負担率35%=175万円です。

次に審査金利での100万円あたりの月額返済額(100万円を返済期間で借りたときの月額返済額)を考えます。審査金利が4%、返済期間が35年ですから、返済額は月額4,428円となります。

以上の数字を上の計算式にあてはめると「借入可能金額=175万円÷12か月÷4428×100万円」となり、計算すると借入可能金額は約32934万円となります。

MEMO
借入可能金額はこのように自分で計算することができます。自分で計算するのが面倒な人は、「フラット35」や住宅ローンを取り扱っている各金融機関のホームページの、簡易シミュレーションを利用しましょう。大まかな借入可能額がわかります。

住宅ローン融資実行後にすること

無事に住宅ローンの融資が実行されたら住宅ローン控除の申請とすまい給付金の申請を行いましょう。住宅ローン控除とすまい給付金にはそれぞれに利用条件が設けられていますが、条件によっては2つの制度を併用することも可能です。減税や給付になるため、手続きを忘れないようにしましょう。

住宅ローン控除の申請

住宅ローン控除とは年末時点の住宅ローン残高に応じて一定の割合の金額が所得税や住民税から控除される税制優遇制度です。2021年12月31日までに住宅ローンを組んで住宅を購入し住み始めた人であれば、年末のローン残高の1%(最大40万円)が10年間、税額控除されます。合計で最大400万円もの減税になる可能性があります。

 

最大40万円!すごいですね…。

 
 

そうだね。住宅ローン控除は高額になることも多いので、必ず手続きしておこう。

 

すまい給付金の申請

すまい給付金とは2014年4月から始まった、消費税率の引き上げによる金銭的負担を緩和するため、住宅購入者に給付金が支給される制度です。すまい給付金制度は消費税率が引上げられる平成26年4月以降に引渡された住宅から、税制面での特例が措置される令和3年12月までに引渡され入居が完了した住宅を対象に実施されます。詳しい条件については国土交通省のHPで確認しましょう。

住宅ローンを賢く借入するためのポイント

最後に住宅ローンを賢く借り入れするためのポイントを4つ紹介します。いずれも住宅ローンを利用する前に知っておきたいポイントです。

融資額は多く、返済期間は長く、金利は低くが鉄則

ポイントのひとつ目は「融資額は多く、返済期間は長く、金利は低く」住宅ローンを借りることです。その理由について一つずつ説明します。

融資額は多く

物件を購入する際は、できるだけ資産価値の高い物件を購入すべきです。なぜならば購入した当初はずっと住み続けるつもりでも、ライフスタイルの変更などによって将来的に手放すことになるかもしれないからです。そんなとき資産価値の高い物件であれば、賃貸や売却も可能になります。例えば都市部・駅近・大規模などとといったような物件は、資産価値が高いといえるでしょう。

MEMO
資産価値が高い物件は価格も高いため、必然的に融資額も多くなってしまいます。これが「融資額は多く」という理由です。
 

もちろん、将来的な収支を計算してうえで、無理のない融資額に設定しよう!

 

返済期間は長く・金利は低く

住宅ローンを利用する多くの人は「住宅ローンは短期間で返済するべき」だと考えていますが、実はそうとも限りません。今は住宅ローン金利がとても低いため、借入期間を長くとって手元資金を余らせ、投資などに回すほうが賢い選択ともいえるのです。

具体的に20年ローンと35年ローンを比べてみましょう。借入金額2000万円、固定金利1.570%のフラット35を利用したとします。借入期間が35年の場合、毎月返済額は6.2万円、総返済額は2601万円になります。借入期間が20年の場合は、毎月返済額が9.8万円、総返済額は2332万円です。

比べてみると、総返済額は20年ローンのほうが安くなるのがわかります。このため「住宅ローンは期間が短い方がいい」と言われるのですが、その分月々の返済額は高くなってしまいます。月々の返済額が多いと投資や貯蓄に回す資金が減ってしまうことにつながります。

MEMO
将来子どもの進学費用が必要な時期に、手元にお金がないといった事態も起こりうるかもしれません。超低金利の現在、住宅ローンは返済期間を長くとり、余らせた手元資金で資産を形成していくほうが得策といえるでしょう。

固定金利ではなく、変動金利を選んでおくのがおすすめ

住宅ローンの金利タイプは大きく分けて「固定金利」と「変動金利」の2種類があります。固定金利とは、決められた期間一定の金利が固定される住宅ローンのことです。契約時に決めた金利が変動することはありません。

対して変動金利型は、定期的に金利が見直され返済期間中に金利が変わる住宅ローンです。基本的には半年ごとに金利が見直され、5年ごとに返済額が変わる可能性があります。変動金利は、他の金利プランに比べて金利が低く設定されています。

住宅ローンは金利が低いほうがいいのは言うまでもないことでしょう。ですので変動金利を選んでおくのがおすすめです。ただし、変動金利は金利が上がれば返済額が増えるというリスクがあります。もし金利の上昇が続いた場合、固定金利型より多くの支払いが必要になるかもしれません。

 

この辺りは将来のリスクをどう考えるか次第なので、一概には言えません。ただ現時点では変動金利の方がメリットは大きいでしょう。

 

 

20代など借入は早い方が有利になる

一般的な20代は、まだ収入が低い人が多いと思います。そのため住宅を購入するという考えは持っていないかもしれません。しかし融資や返済という点で考えると、20代で住宅ローンを組むことには大きなメリットがあります。20代で住宅ローンを組むメリットのひとつは、定年までの期間が長いことです。長期間のローンを組むことで毎月の支払い額が少なくてすみ、給与があまり多くなくても返済できます。

また老後資金に余裕ができる点もメリットです。例えば25歳の人が35年ローンを組んだ場合、60歳で完済することになります。その後は住宅ローンの支払いを気にせず、老後の生活に必要な資金を貯めることができるため、老後の人生設計が自由になるでしょう。

さらに、健康な時期が長いという点もメリットです。人間は年齢を重ねるほど病気になる可能性が高くなります。健康に自信のある20代から住宅ローンを利用した方が、病気になってローン支払いが困難になるというリスクを回避することができるでしょう。

住宅ローンを選ぶときは諸費用含む総費用で選ぶ

住宅ローンには手数料などの諸費用がかかります。必要な手数料は次のようなものです。

必要となる手数料
  1. 融資手数料
  2. ローン保証料
  3. 斡旋手数料
  4. 火災保険料
  5. 地震保険料
  6. 団体信用生命保険料

住宅ローンを選ぶ際は金利の安さだけでなく、こういった諸費用を含んだ総費用で選ぶようにしましょう。例えば融資手数料を比較すると、大手金融機関を利用するより、ネット銀行の住宅ローンを利用したほうが手数料を抑えられるというケースがあります。

またローン保証料や団体信用生命保険料が無料の金融機関もあります。そのため、金利の安さだけでなく総費用を考え、さまざまな金融機関を比較検討することが重要です。

まとめ

本記事では住宅ローンを利用するときの流れ、借入金額を求める計算方法、賢い住宅ローンの借り方などを解説しました。住宅は人生で大きな買い物です。この記事を参考に、借入金額はどれくらいがベストか、借入期間や金利はどうするべきかなどを具体的に想像してみてください。

また住宅ローンの融資実行後は、安心して住宅ローン控除とすまいの給付金の申請を忘れがちです。どちらもメリットの多い制度ですので申請を忘れないようにしましょう。