アパート購入完全ガイド!初期費用や引き渡しまでの流れと経営するに当たっての注意点、選び方について

この記事のざっくりしたポイント
  1. アパート購入をする場合、売買価格の10%ほどの諸費用が掛かかる
  2. アパートの引き渡しまでには時間と必要書類を揃える手間が掛かる
  3. 融資の付く物件かを確認し、かつ入居者の状況と契約内容を確認してから購入することが大切

アパート購入をする場合、引き渡しまでには時間と初期費用がかかります。しかしアパートを購入した経験がない人だと、どのような流れで購入して、いくらくらい費用がかかるのか…と悩んでいると思います。

そこでこの記事ではアパート購入にかかる初期費用、引き渡しまでの流れ、中古アパートの選び方などを解説します。この記事を読むことでアパートの購入がはじめての人でも、アパート経営をするための流れや費用などが理解できるようになります。

不動産購入の前には購入の流れや費用は必ず知っておきましょう。そうしないと予算組みができずに、スケジュールも立てにくいからです!

アパート購入にかかる初期費用について

この章ではアパート購入をするためにかかる初期費用について解説します。以下がアパート購入時に発生する初期費用および注意点です。

アパート購入時に発生する初期費用および注意点
  1. 土地とアパートの購入費
  2. 不動産業者や司法書士に支払う費用
  3. 新築ではなく、中古アパートなら修繕費用もかかる
  4. 相続や贈与にかかる費用も初期費用に含める

詳しく解説していきます。

土地とアパートの購入費

まずは土地とアパートの購入費用がかかります。アパートの購入費用は、建物の大きさやエリアによって大きく違います。エリアや規模によってはアパート(建物)だけで5,000万円以上かかることがあるので、よく考えて検討すべきです。土地を持っていない場合は土地代もかかるので注意してください。

不動産業者や司法書士に支払う費用

次に不動産業者や司法書士に支払う諸費用がかかります。代表的な諸費用は以下の通りです。

不動産業者への仲介手数料(売買金額×3%+6万円)+消費税
印紙税数万円
登記費用土地の所有権移転登記は評価額×2%抵当権設定登記は評価額×0.4%
司法書士への報酬 5万円~10万円

例えば5,000万円のアパートを購入した場合は、諸費用として約300万円かかります。ほかにも銀行へ支払う保証料や火災保険料、不動産取得税なども含めると、諸費用だけで不動産価額の10%はかかるでしょう。

諸費用はそんなにかかるんですね!

諸費用は借入額によっても変わってくるし、不動産取得税も物件によって結構違うね…。なので上記は一旦目安と思っておき、詳細は不動産会社にヒアリングしよう!

新築ではなく中古アパートなら修繕費用もかかる

中古アパートは新築アパートよりも建物の費用は抑えられますが、以下のような修繕費用が必要なことが多いです。

中古アパートで必要になることもある修繕費
  • 壁紙の張替えなど内装部の修繕
  • キッチンやトイレなど水まわり設備の交換
  • 外壁の塗装

修繕することがマストではありませんが建物が劣化しているのに修繕しなければ入居者が増えず空き室が埋まらないリスクもあります。そのため中古アパートを購入するときは建物の劣化状況をきちんとチェックし、状況によっては修繕費用も計算に入れることが重要です。

相続や贈与にかかる費用も初期費用に含める

アパート経営をしている両親などから物件を相続・贈与された場合は、相続税と贈与税を初期費用に含めなければなりません。将来的に相続の可能性がある場合は相続時精算課税制度の利用がおすすめです。

この制度を利用するメリットは2つあります。1つは親から子への財産移転がスムーズにできる点です。もう1つは値上がりが予想できる不動産を贈与すれば、相続時に財産の移転をするよりも節税できる点です。

このようにアパートを購入する場合さまざまな諸費用がかかるので注意してください。

実際に相続時精算課税制度を利用する場合は、まず国税庁のホームページで概要を把握しよう。その上で税理士と相談して判断しましょう!

出典|国税庁 相続時精算課税の選択

アパート購入から引き渡しまでの流れ

次にアパート購入から引き渡しまでの流れについて解説します。事前に流れを理解しておけばスムーズにアパートの引き渡しができるので、必ず確認しておきましょう。以下がアパート購入から引渡しまでの流れです。

アパート購入から引渡しまでの流れ
  1. 自分でも購入できるアパートを探す
  2. 物件を見つけたら買い付ける
  3. ローンの事前審査を行う
  4. 売主と売買の契約を結び、管理会社を選ぶ
  5. ローンの本審査を行う
  6. 融資が可能であれば、決済と引き渡しをする

詳しく解説していきます。

自分でも購入できるアパートを探す

最初に予算の範囲内で購入できるアパートを探します。アパートローンの融資額は以下のように金融機関によって異なります。

銀行名アパートローンの融資額
みずほ銀行アパートローン50万円以上5億円以内
オリックス銀行不動産投資ローン1,000万円以上2億円以下
横浜銀行アパートローン3億円以内

出典:みずほ銀行|アパートローン

出典:オリックス銀行|不動産投資ローン 

出典:横浜銀行アパートローン 

あらかじめローンを利用してどのぐらいの物件なら購入できるか試算しておきましょう。

どうやって試算するんですか?

一番早いのは金融機関にヒアリングすることだけど…。不動産会社によっては提携している金融機関の審査金利なんかも把握しているから、シミュレーションしてくれる会社もあるよ。

物件を見つけたら買い付ける

物件の予算が決まったらネットの物件検索サイトや不動産会社の仲介サービスを利用して物件を探します。はじめてアパートを購入する場合は資金計画や物件を選ぶときのポイントなどを、不動産会社に相談した方が良いです。

良い物件が見つかったら購入申込書を提出して買い付けを入れます。もし、価格交渉をしたい場合はこのタイミングで交渉します。

買い付け後にキャンセルすることは可能です。ただ、基本的には購入前提で買い付けを入れましょう。そうしないと買い付けをキャンセルすることで不動産会社が信頼を失い、良い物件を紹介されなくなります。

ローンの事前審査を行う

買い付けをしたら金融機関でローンの事前審査を行います。断られる可能性もあるので不動産会社や知り合いの大家さんから金融機関を紹介してもらうことが理想です。

ただ不動産会社も必ず金融機関を紹介してくれるわけではないため、自力で金融機関に連絡をして審査することも多いです。また金融機関によって審査基準が異なるので、断られた場合は諦めずに違う金融機関を探します。

売主と売買の契約を結び、管理会社を選ぶ

次に売主と売買契約を結びます。契約時に行う手続きは以下の通りです。

契約時に行う手続き
  1. 物件の重要事項説明書
  2. 売買契約の締結
  3. 手付金の支払い

物件の重要事項説明書には物件の状態や規約などが記載されています。不利なことが書かれていないかよく確認しましょう。売買契約書には売買代金や支払い方法などの契約内容が記載されています。相手方や不動産会社が記載間違いをしていることもあるので注意してください。

手付金は売買価格の5%~10%が相場です。契約手続きは不動産会社で行われ、所要時間は2,3時間ほどになります。またアパートの清掃などの管理を委託する場合は、管理会社の選定が必要です。売主が管理会社と契約していた場合は、そのまま引き継ぐことも多いです。

基本は管理会社に委託する場合が多いです。また管理会社を替えることもできるので、替える場合は何社かに問い合わせて比較してみると良いでしょう。

ローンの本審査を行う

次にローンの本審査を行います。審査には必要書類が多いので事前に準備しておけばスムーズに審査をしてくれます。以下が必証書類です。

ローンの本審査の必要書類
  1. 身分証のコピー
  2. 源泉徴収票3期分
  3. 確定申告書3期分(給与収入以外の収入がある場合)
  4. 住民税課税証明書(3期分)
  5. 納税証明書(3期分)
  6. 売買契約書
  7. 賃貸借契約書
  8. 重要事項説明書
  9. 住民票
  10. 印鑑証明書
  11. 残高証明書や通帳の最終ページのコピー
  12. 返済予定表など

また審査時には「担保として価値がある物件なのか?」「融資の返済が継続的にできるか?」などを評価されます。

事前審査時は公的書類までは求められないケースが多いです。また事前審査に通過していれば、よほどのことがない限り本審査も問題なく通過します。

融資が可能であれば、決済と引き渡しをする

融資の審査に通れば決済と引き渡しを行います。融資が決済されるのは、土地や建物の引渡し日です。引き渡しには売主や買い主だけでなく、不動産会社・金融機関の担当者・司法書士も同席します。

注意
書類の不備や実印を忘れると決済と引き渡しが延期になる可能性もあるので、忘れ物がないように注意してください。

中古アパートの選び方について

この章では中古アパートの選び方について解説します。中古アパートを選ぶときに価格や表面利回りだけを見て契約を結ぶのは危険です。
というのも価格や表面利回りは良くても空き室が多い中古アパートもあるからです。

中古アパートの選び方のポイントは、以下の2つです。

中古アパートの選び方のポイント
  • 融資がつく物件を選ぶ
  • 入居状況と契約内容で選ぶ

順番に解説します。

融資がつく物件を選ぶ

どんなに価格が安くて利回りの良さそうな物件でも違法建築物には融資が下りません。違法建築物とは以下のような建築物です。

違法建築物の例
  • 建物の敷地に定められている面積や高さなどの基準に違反している
  • 建築確認申請を怠った物件

このような物件を契約してもほとんどの金融機関では融資が下りないため、現金で物件を購入することになります。

また築年数の古いアパートを購入する場合は、金融機関からの融資期間にも注意してください。融資期間が10年未満の場合、毎月の返済額が増えるため手元にお金が残りにくくなります。

注意
もし、長期の融資期間の契約が結べない場合は築年数が浅い物件を購入すべきです。

入居状況と契約内容で選ぶ

空室率が高い物件の場合、何らかの理由があるはずです。ネットで記載されている年間家賃収入は空き室が埋まることを前提に計算されています。利回りをよく見せるために家賃を高く設定していることもあるので、レントロールの確認も行いましょう。

さらに入居者が滞納をし続けている場合や入居者同士のトラブルが良く起きている場合は注意しなければなりません。家賃収入が安定せず、余計な修繕費用が必要になるケースもあります。

気になる点があれば仲介会社を通して、管理会社へのヒアリングなども行いましょう。

アパート購入・経営に当たっての注意点

ここからは アパートの購入や経営に当たっての以下注意点を解説します。

アパートの購入や経営に当たっての注意点
  1. 重要なのは高い利回りが実現可能かどうか
  2. アパートの購入には元手でも必要
  3. 土地だけを持っていてもあまり意味がない
  4. 良い中古物件は見つけるのが大変
  5. アパート経営が困難だと感じたら早めに売却を検討する

詳しく解説していきます。

重要なのは高い利回りが実現可能かどうか

アパート経営においては高い利回りが実現できるかは重要です。利回りが高ければ高いほど、早く投資した金額を回収できます。ただ、表面利回りだけでなく、入居者の滞納状況や周辺環境なども調査して入居者が予定通り埋まるのかシミュレーションすることが重要です。

アパートの購入には元手でも必要

アパート経営をはじめるにはアパート購入のためのローン契約を結びます。しかし、ある程度の元手も必要です。融資を受ける際には収入状況や返済状況なども審査の基準になるため、頭金を少しでも用意できた方が審査に通りやすくなります

MEMO
またアパートの購入には諸費用の支払いも必要ですし、購入後に急な修繕費が必要になることもあるので、元手は多ければ多いほど良いです。

土地だけを持っていてもあまり意味がない

土地だけを持っている場合、固定資産税と都市計画税の負担は以下のように重いです。

土地だけを持っている場合の税金負担額
  1. 固定資産税=課税標準額が最大6分の1
  2. 都市計画税=課税標準額が最大3分の1
  3. 相続税=課税評価額が下がれば相続税も軽減される

しかし土地にアパートを建てれば、固定資産税や都市計画税などの節税ができます。

良い中古物件は見つけるのが大変

良い中古物件はなかなか見つかりません。なぜなら利回りなど条件が良い物件は、奪い合いになるからです。良い物件はネット上などになかなか出てきませんが、まれに良い中古物件が見つかることがあります。そのためには粘り強く物件を探し続けることが大事です。

アパート経営が困難だと感じたら早めに売却を検討する

以下のようにアパート経営が困難だと感じたら早めに売却を検討しましょう。

アパートの売却を検討するべき状況
  • 収支がプラスになる気配がない
  • 修繕費用がかさみすぎて、これ以上経営が難しい
  • 借り手がつく見込みがない

収益の見込みのない物件を経営していても、赤字が計上し続けるだけです。売却したお金で新たに違う物件を購入した方が、経営は上手くいく可能性があります。

まとめ

アパート購入をする場合、売買価格の10%ほどの諸費用が掛かります。また、アパートを購入するためにはローンを結ぶ必要があるため、元手となる現金も用意しておきましょう。

さらにアパートの引き渡しまでには時間と必要書類を揃える手間もかかります。スムーズに融資を通すために必要書類は早めに揃えなければなりません。

アパート経営は物件の価格や表面上の利回りだけで判断すると危険です。必ず、融資の付く物件かを確認し、かつ入居者の状況と契約内容を確認してから購入しましょう。