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用途地域の調べ方って?土地の用途や市街地・準市街地など解説

この記事のざっくりしたポイント
  1. その地域・土地に建築可能な建物を定めているのが「用途地域」
  2. 将来的に改築や増築という局面で用途地域の制限にひっかかる可能性がある
  3. 家を買う、土地を探すときには用途地域を確認すると良い

家を建てるために土地を探しているとき、またはマンション購入検討中に住宅情報を見ているとき「用途地域」という言葉が目に入るのではないでしょうか。 これはどういうものか少し気になるところですね。

この地域、この土地にはどういう建物なら建てられると定めているのが「用途地域」です。「計画的な市街地を形成するために用途に応じて13地域に分けられたエリア」というカテゴライズになっています。

小島社長

用途地域の法令に準じて建物に制限があるため、地域により住環境や住み心地に違いが出てきます。

不動産購入のとき注意しておきたいのが、その地域がどういうカテゴリーに入っているかということです。 これが分かる「用途地域」について解説します。

事務員

用途地域とは

用途地域は都道府県知事が定めている都市計画をもとに制定されています。 都市計画の内容や、その中で位置する「区域」を解説します。

都市計画区域とは

都道府県知事により都市計画が立てられており、その内容として、 都市計画区域とそれ以外の区域が以下の通り分かれています。

都市計画区域とそれ以外の区域
都市計画区域 計画的に街づくりを進めるエリア
都市計画区域外 人が少ない地域なので市街地化計画をしないエリア
準都市計画区域 人が少ないけれど重要なので制限を設けてあるエリア

そして、住む人が多く街づくりを積極的に進めていくべき都市計画区域は以下の3つに分けられます。

3つの都市計画区域
市街化区域 既に市街地を形成している区域や、今後優先して計画的に市街地化を図るべきエリア。 市街化しているかおよそ10年以内に市街化が推進される区域。
市街化調整区域 農地や森林などを守ることに重点を置くエリア。 市街化を抑制する目的で定められる区域で特別な事情を除き建物を建てられない地域。
非線引区域 計画的に街づくりをする予定だが、とりあえずは現状のままにしておくエリア。市街化の推進・抑制に関する区分は明らかではあなく、用途地域を定めることで市街化のコントロールが可能。

さらに人が住むという点で環境を整えるにあたり、市街化区域に関して住みやすさや景観重視の目的で21地域の「地域地区」に分けます。

小島社長

21地域の中の1つに「用途地域」があるのです。

地区地域の名称と法的根拠

地域地区は以下のとおりです。

用途地域 12種の用途を定めた地域で市街化区域に必ず設定されている。
特別用途地区 用途地域内で特別な目的のために、制限緩和をしている。または制限・禁止事項を定めている地域・地区。
特定用途制限地域 商業専用地区など用途地域をさらに制限する目的の地域
特例容積率適用地区 未利用の容積を他の敷地に移し、土地を高度利用するための地区
高層住居誘導地区 高層住居の建築を促進することで、利便性を高める都心地区
高度地区 建物の高さの最低・最高限度を定めた地区
高度利用地区 土地を高度に利用するための地区
特定街区 超高層ビルなどを建設する都市基盤が整備された地区
都市再生特別地区 都市再生特別措置法第36条第1項
居住調整地域 都市再生特別措置法第89条
特定用途誘導地区 都市再生特別措置法第109条第1項
防火地域 建物構造を厳しく制限する防災地域
準防火地域 防火地域より規制緩和された防災地域
特定防災街区整備地区 密集市街地整備法第31条第1項
景観地区 景観法第61条第1項
景風致地区 自然美を維持保存するための地区
駐車場整備地区 駐車場法第3条第1項
臨港地区 港湾の管理運営を円滑に行う地区
歴史的風土特別保存地区 古都における歴史的風土の保存に関する
特別措置法第6条第1項
歴史的風土保存地区(第1種・第2種) 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法第3条第1項
特別緑地保全地区 都市緑地法第5条
特別緑地保全地区 都市緑地法第12条
緑化地域 都市緑地法第34条第1項
流通業務地区 流通業務市街地の整備に関する法律第4条第1項
生産緑地地区 生産緑地法第3条第1項
伝統的建造物群保存地区 文化財保護法第143条第1項
航空機騒音障害防止地区航空機騒音障害防止特別地区 特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法第4条第1項

用途地域の目的

周辺環境との兼ね合いにより建ててはいけない施設などが定められているため、これから土地を買って家を建てようとするなら用途地域の法令に準じて建築しなければなりません。

自己所有して住むための家を建てる土地やマンションを探すなら、どんな用途地域に当てはまるかを知っておくべきですね。

事務員

小島社長

用途地域について解説しましょう。

2019年4月より用途地域は13種類となりました。 用途地域は5年に一度見直しがあり増減はほとんどありませんが、2019年4月から「田園住居地域」が用途地域として追加され、これによって13種類になりました。

用途地域は大きく分けて 「住居系」「商業系」「工業系」の三つの種類があります。

注意
この三つにどういった建物を建てることが許可され反対に認められないか、これを知らずに土地を買うことは危険です。 またマンションの住環境に関わってくる場合もあります。

大きく三つに分けられた用途地域の種類を理解しておきましょう。

基本的に工場は建てられない「住居系」

13種類ある用途地域のうち8種類は「住居系」です。 住環境を優先すべき地域であり大きな工場や商業施設は建設できないものとなっています。

MEMO
2019年4月から加わった「田園住居地域」も、この「住居系」に含まれます。

活気ある地域になりやすい「商業系」

商業系は文字通り商業施設が建ち並ぶ地域です。 大勢の人が買い物で賑わうショッピングセンターやレジャー施設の建設は、この商業系地域として定められています。

環境被害があまり心配ない「工業系」

工場が中心となり、その利便性を高める目的の用途地域です。 住宅や宿泊施設などが建てられるものと、制限があるものに分かれています。

用途地域の13種類の特徴

用途地域には13種類あり「住居系」「商業系」「工業系」と大きく三つに分けた中で、更に住宅の高さや商業施設の種類による制限があります。 住居系なので何でも家を建てられるというわけではなく工業系には家が建てられないというわけでもありません。

用途地域の縛りにより住むための土地を確保するにも制限が出てくる可能性があります。

小島社長

逆に住居系ではない地域で住居建築が可能とされている土地を見つけることもできるかもしれません。

用途地域の13種類を覚えておきましょう。

事務員

住居系には8種類の用途地域がある

住居系は8種類に分かれています。

住居系の分類
  • 第一種低層住居専用地域
  • 第二種低層住居専用地域
  • 第一種中高層住居専用地域
  • 第二種中高層住居専用地域
  • 第一種住居地域
  • 第二種住居地域
  • 準住居地域
  • 準住居地域

第一種低層住居専用地域

低層住宅のための地域であり高さが10mや12m以内とされています。この範囲内なら一戸建てだけではなく低層マンションも可能です。

MEMO
ただし店舗は床面積の合計が50㎡以下という制限がありコンビニなどはこの広さでは無理です。小中学校の建築も認められています。

第二種低層住居専用地域

低層住宅のための地域で第一種低層住居専用地域と同じ高さ制限があります。 ただし床面積150㎡までの店舗が認められるため、コンビニや飲食店もこの地域に建築可能です。

第一種中高層住居専用地域

中高層住宅のための地域で高層階のある建物が建てられるため、その高さに制限はありません。床面積が500㎡以下の店舗が建てられます。

MEMO
教育施設や病院、寺社もこの地域に建てることができます。

第二種中高層住居専用地域

中高層住宅のための地域で第一種中高層住居専用地域で建築可能な建物の他、2階建て以内であり床面積1500㎡以下の店舗を建てることも許されています。事務所も可能です。

第一種住居地域

住宅の他に第一種・第二種中高層住居専用地域で建築可能な建物、3000㎡までの店舗や事務所、ホテルが建てられます。

第二種住居地域

第一種住居地域で可能な建物が建築可能です。 レジャー施設の制限も緩くなりボーリング場やスケート場を建てることもできます。

MEMO
パチンコ屋やカラオケボックスも一部可能となり床面積10,000㎡以下なら許可されます。

準住居地域

国道や幹線道路沿いが指定されることが多いのが、この準住居地域です。 第二種住居地域の制限内で建てることができる建物を建てることができます。 車庫や倉庫、作業場も可能となります。

MEMO
床面積が150㎡以下の自動車修理工場、客席にあたる部分が200㎡未満の劇場や映画館なども、この地域で建てることができます。

田園住居地域

農業と調和した低層住宅の環境を守る目的の用途地域で2019年4月に用途地域として追加されています。 第一種低層住居専用地域と近い制限によって住宅建築が可能です。

MEMO
幼稚園から高校までの教育施設や図書館、病院、寺社もここに建てることができます。

商業系には2種類の用途地域がある

近隣商業地域

日用品の買い物などをするための地域であり店舗や事務所、劇場や映画館が建築可能ですが、床面積の制限がありません。

MEMO
環境悪化の恐れがない工場を建てることも許されています。この場合は床面積150㎡で危険がないことが条件です。

商業地域

近隣商業地域より更に制限が緩くなり多種多様の商業地域がここに建てられます。 銀行や映画館、飲食店、百貨店など生活至便になる商業施設が集中します。 風俗施設や小規模な工場も許可されています。

MEMO
多くは雑多な店や施設が集まるターミナル駅周辺が「商業地域」となります。

工業系には3種類の用途地域がある

準工業地域

軽工業の工場やサービス施設等を建てることを中心とした地域です。 危険がなく環境悪化に繋がらない工場は、ほとんどが建てられます。

MEMO
住宅や教育施設、病院も建てられるため準工業地域に住んでいる人は珍しくありません。ホテルや映画館もここに建てられます。

工業地域

文字通り工場を建築することを中心に考えられた地域で建てられる工場に規制や制限はありません。 住宅や店舗の建築は可能です。 ただホテルや映画館はここに建てることができません。

注意
病院や教育施設なども建築できないため広範囲の工業地域で家を購入する場合、子どもの進学や家族の通院に不便と考えるべきでしょう。

自分の住んでる街の用途地域を調べる方法

今住んでいる街や、これから住むことを考えている街がどういう用途地域になっているか知っておいたほうがいいのでしょうか?

事務員

小島社長

目の前に空地があり日当たりが良いと考えて土地を買っても、日照権が守られない高層建築物を建てることが可能な用途地域でありマンションが建ってしまう可能性もあります。

また事務所や店舗併設で家を建てたいと思っていても規制にかかってしまうことも考えられます。 工業地域に住むと近くに教育施設や病院がないため生活に支障をきたす可能性もあります。

途地域によって同じ広さの土地が安くなることがあるため値段だけを見て買って、こういったことが起きて後悔につながるかもしれません。 では用途地域はどうやって調べればいいでしょうか。 これを解説します。

自分が住んでいる役所に行って調べる

まず確実な方法として自分が住んでいる役所に行って調べるというやり方があります。 市町村役場には「都市計画図」があります。 これを見せてもらうのが確実です。

WEBで用途地域の確認をする

用途地域を見るためだけに役所に出向く暇はない人も多いですね。 その場合はWEBで用途地域の確認ができます。 ネットで検索する場合は「自治体名 都市計画図」と入力してみましょう。

「都市計画図等の閲覧について –〇〇市」というページが表示されます。 各自治体ごとに、PDFデータとWebシステムの両方または片方のみで閲覧できます。 色がついた大きな地図として用途地域が表示されます。

MEMO
用途地域を色で表しているので、13色に分かれています。

用途地域で色がまたがっているのは?

一つの土地が必ず1種類の用途地域として収まっているとは限りません。 複数の制限が適用されている土地ということになります。 同じ土地の中で厳しい制限に合わせて建物を建てることになります。

まとめ

土地は周辺環境や用途に応じて使い分けられるため建築物もすべて同じ条件で建てることはできません。 それを法令化したのが「用途地域」です。

特定の制限を設けている地域では安全や環境保全のために建てられない住宅や施設があり、それが定められています。 家を買う、土地を探すときには用途地域を確認しておきましょう。

将来的に改築や増築という局面で用途地域の制限にひっかかる可能性もあります。 普段は気にしない用途地域の規制ですが、そこに家を建てて住む場合は重要になります。

今の家も一度確認しておいて土地やマンション探しのときには物件価格や広さと同様に用途地域もチェックしておきましょう。