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マンション売却の方法を完全ガイド!初心者が知っておきたい売却の種類や流れ、良くある失敗と対策について解説

この記事を書いた人
中村 昌弘
不動産コメンテイター

都内の私立大学を卒業後、新卒採用で不動産ディベロッパー勤務。 不動産の用地仕入れや、分譲マンションの販売・仲介などを手掛ける。 2016年に独立して以降、不動産関係のライティングも業務の1つに。

この記事のざっくりしたポイント
  1. 高く売りたいなら「仲介」、早く売りたいときは「買取」
  2. マンション売却は3人に1人が失敗する
  3. 複数社に査定依頼して「査定額を算出した根拠」をきちんと比較することが重要

マンションを売却するという経験は一生に一度あるかどうかなので、「はじめてマンションを売る」という方が大半でしょう。 そのため、どのような流れで売却しどのような失敗に注意すべきか知らない方も多いです。

そこでこの記事ではマンション売却の種類や売却するときの流れ、そして具体的な失敗例と失敗しないための対策について詳しく解説します。

マンション売却方法は2種類!「仲介」と「買取」

まずはマンションの売却方法である仲介と買取について解説していきます。 結論からいうと一般的には「仲介」を選択すると思って問題ありません。

高く売りたいなら「仲介」

仲介とは不動産会社にマンション売却を依頼することです。 つまり不動産会社が検討者を探してくれて、物件案内・交渉・売買契約などを行ってくれるというわけです。

仲介であれば不動産会社が複数の検討者に物件案内や交渉する必要があるため、査定~引き渡しまで半年程度かかることも多いですが相場並の価格で売却できる可能性が高いです。

早く売りたいときは「買取」

一方、買取とは不動産会社が買い取ることです。 仲介は基本的に不動産会社が買い手を探し(仲介し)ますが、買取の場合は不動産会社がそのまま購入します。 そして不動産会社は買取後に転売するか、リノベーションをした後に転売するのが一般的です。

買取の場合は検討者を集める広告や売却活動は不要なので査定~引き渡しまで2週間程度で完結することもあります。 そのため早く現金化したいなら買取が良いでしょう。

しかし不動産会社はマンションを買い取った後に転売するので、利益を考えると相場価格の7割程度の買い取り額になります。

 

このように仲介だと多少時間はかかりますが、相場並で売れる可能性が高いです。一方、買取は現金化までは早いですが売却価格が大きく下落します。そのため早く売らなければいけない事情がない限り、基本的には「仲介」を選択するというわけです。

 

マンション売却の流れは大きく分けて3つ

次にマンション売却の流れである以下3ステップを解説します。

マンション売却の流れ
  1. 売却したいマンションの価格査定
  2. マンションの売却活動
  3. 売却契約と決済

売却したいマンションの価格査定

まずは売却したいマンションの価格査定をします。 価格査定は「どのくらいの金額で売れるか?」というおおよその価格を不動産会社に算出してもらうことです。

査定はいくつか方法がありますがネットで簡単に査定依頼できる一括査定サイトを利用すると良いでしょう。

マンションの売却活動

査定をして仲介を依頼する不動産会社を決めたら、次にマンションの売却活動をします。 マンションの売却活動とは具体的には以下の活動です。

マンションの売却活動
  1. チラシやネット広告による集客
  2. マンションの内見案内
  3. 価格などの交渉

上記は基本的に不動産会社の営業担当者が主導します。 ただ売主は内見前の清掃や出迎え準備などを行う必要があります。

 

ちなみに買取の場合は売却活動がないので査定後にすぐ申込みを受けて次項の契約へと進みます。

 

売却契約と決済

売却活動で検討者がいたらその検討者と交渉して条件面が合意できたら申込みを受けます。 そして申込から概ね1週間以内に売買契約を締結するという流れです。

売買契約を締結したら契約から1~2か月程度でマンションの引渡しを行います。 マンションの引渡しが完了すればマンションの所有権は買主に移るので、引渡し日までに売主は引っ越しまで終わらせておく必要があります。

 

以上がマンション売却の簡単な流れです。実際は不動産会社の営業担当者が主導してくれますが、全体の流れは頭に入れておいた方が良いでしょう。

 

マンション売却は3人に1人が失敗する!

アットホーム株式会社の調査によると不動産売却において「売却価格に満足していない」と答えた人が3人に1人以上(全体の39%)いました。 この調査から分かる主な失敗原因は以下の通りです。

マンション売却の失敗原因
  • 1社しか査定しておらず優良な不動産会社を見つけられなかった
  • 査定金額だけで不動産会社を選んでしまった
  • 売り出し価格に失敗してしまった
  • 時間に余裕がなく焦り過ぎた
  • 価格競争に巻き込まれた

上記が以外にも色々と原因はありますが総じていうと「不動産会社選びの失敗」が主な原因といえます。

 

次項より具体的な失敗例と対策について解説していきます。

 

マンション売却でよくある失敗:売り出し前の失敗と対策

まずはマンションを「売り出す前」の失敗例と対策について解説します。

売り出し前の失敗と対策① 時間の余裕がなく、複数社で査定を受けてない

1つ目の失敗は時間の余裕がなく、複数社で査定を受けていないという事例です。 査定は複数社に依頼するべきであり、その理由は査定額とその根拠を比較することで優良な不動産会社を見極められるからです。

逆にいうと一社しか査定依頼しないと優良な不動産会社を選定できずに、売却に失敗する可能性が高まります。 対策は上述した一括査定サイトを利用して複数社に査定依頼することです。

MEMO
一括査定サイトであれば数分の入力作業で複数社へ査定依頼できるので時間がなくても問題ありません。

売り出し前の失敗と対策② マンションの査定を根拠なしで高額で出す、不得意な会社に依頼してしまう

次にマンション査定額を「根拠なく高く算出している不動産会社」へ仲介を依頼する失敗事例です。 不動産会社の中には自社で仲介したいがために根拠なく高い査定額を提示する会社があります。

しかし査定額の高さだけで不動産会社を選んでしまうと、実は土地・戸建売却が得意な不動産会社だった…という可能性もあります。 そうなれば、マンションを高く売却できる可能性は低いです。

このような事態にならないためには複数社に査定依頼し、かつ査定額だけでなく「査定額を算出した根拠」をきちんと比較することが重要です。 そうすれば、マンションの売却が得意な不動産会社を選定できます。

売り出し前の失敗と対策③ 住宅ローンの残高を把握してない

次に、住宅ローンの残高を把握していないという失敗例です。 マンションをはじめとした不動産は住宅ローンを組んでいると金融機関が抵当権(担保)を設定しています。

そしてマンションを売却するときは抵当権を抹消する必要があり、そのためには住宅ローンの完済が条件です。 つまり「ローン残高>マンションの売却価格」という状況であれば、足りない分は自己資金で補うことになります。

注意
このような事態にならないためには住宅ローンの残高を事前にチェックし、その残高を加味して売却下限価格を設定することです。

マンション売却でよくある失敗:売り出し中の失敗と対策

次にマンションの「売り出し中」の失敗例と対策について解説します。

売り出し中の失敗と対策① 相場が安い外れシーズンに売り出す

売り出し中の失敗例1つ目は相場が安いときに売り出すことです。 というのもREINSのデータによると築10年を過ぎたあたりから価格の下落率は大きくなります。

もちろん物件の立地環境や競合環境によって価格の下落率は異なりますが、少なくとも10年・15年などの「節目」を超えると価格は下がりやすいので注意しましょう。

売り出し中の失敗と対策② 同じマンションの別部屋が売り出され価格競争に巻き込まれる

次に、同じマンションの別部屋が売り出され価格競争に巻き込まれる事例です。 そこまで多いケースではありませんが大規模マンションなどではあり得る話です。

仮に同じマンションで売り出している部屋があり、その部屋と広さや価格帯が似ている場合は必ず比較されるので厳しい値下げ交渉をされる可能性はあります。 この状況への対策は以下の通りです。

価格交渉に巻き込まれないための対策
  • 余裕があるなら競合物件が売れるまで待つ
  • 差別化を図る

もし売却を急いでいないなら値下げ交渉に応じずに競合物件が売却されるのを待つのも一つの手です。 また「自分の部屋の方が陽当たりは良い」など差別化ポイントを明確にしておくことも対策になります。

売り出し中の失敗と対策③ 囲い込みを狙う仲介業者を選んでしまう

次に囲い込みを狙う仲介業者を選んでしまう失敗例です。 囲い込みとは自社で買い手を仲介したいがために、他社から検討者を紹介されても断ってしまう業者です。 囲い込みへの対策は上述した「査定額の根拠も見極め」などをきちんと行い、優良な不動産会社を選定することになります。

またレインズのステータスを逐一チェックし申込を受けていないのに「申込」というステータスになっていたら、すぐに不動産会社へ問い合わせることも対策といえます。

売り出し中の失敗と対策④ 内覧をしない、不動産会社との関係が浅い・良くない

次に内覧をしない、不動産会社との関係が浅い・良くない失敗例です。 不動産会社の営業担当者は複数の物件を担当しています。 そのため、どうしても物件によって優先順位を付けざるを得ないのです。

特に内見予約は土日に集中するので、日程が被ったら内見は断らなくてはいけません。 そんなとき不動産会社との関係が浅かったり、良くなかったりすると「断られる」方の物件になってしまう可能性があります。

MEMO
そのため査定時から不動産会社の営業担当者とは良好な関係を築き、高圧的な態度で接する…などがないように意識しましょう。

マンション売却でよくある失敗:売り出し後の失敗と対策

さいごにマンションを「売り出した後」の失敗例と対策について解説します。

売り出し後の失敗と対策① 5年以内に売却し、税金が高くなる

マンションを売り出した後の失敗例として5年以内に売却して税金が高くなるというケースがあります。

マンションを売却するとその売却益に譲渡所得税がかかるケースがあります。そして、その譲渡所得税率は以下のように保有期間によって異なるのです。

税の種類長期保有短期保有
所得税率15%30%
復興特別所得税率所得税額×2.1%所得税額×2.1%
住民税率5%9%

マンションを売却した年の1月1日時点でマンションの保有期間が5年超であれば長期保有、5年以下であれば短期保有となります。 そのため売却時期を調整することができ、保有期間が5年の節目に近いのであれば長期保有の状態で売り出した方が良いでしょう。

売り出し後の失敗と対策② 価格を安易に下げて売却する、または諦める

また価格を安易に下げて売却する、または諦めるという失敗例もあります。 マンション売却は売り出しはじめは内見者がたくさん来ますが、1~2か月経過すると徐々に内見者が減っていきます。

そのときに焦って価格を下げたり、高く売ることを諦めて値下げ交渉に応じたりするケースがあるのです。 もちろん価格を下げたり値下げ交渉に応じたりすることも戦略の1つです。

しかし大事なのは安易に価格を下げずに、「○か月して売れなければ××万円価格を下げる」とあらかじめ計画しておくことです。 はじめに計画を立てておけば感情論に左右されずに、客観的な判断ができます。

マンションを早く・高く売却するコツを完全ガイド!売買までの流れやタイミング、注意点とは

まとめ

このようにマンション売却には仲介と買取の2種類あり、一般的には仲介を利用して売却します。 また、マンション売却の失敗例は「不動産会社選びの失敗」というケースが多いので、複数社に査定依頼して「査定額を算出した根拠」をきちんと比較することが重要です。