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宅地建物取引士は営業担当者に必須な資格です

この記事を書いた人
中村 昌弘
不動産コメンテイター

都内の私立大学を卒業後、新卒採用で不動産ディベロッパー勤務。 不動産の用地仕入れや、分譲マンションの販売・仲介などを手掛ける。 2016年に独立して以降、不動産関係のライティングも業務の1つに。

いわゆる「宅建士」という資格は、不動産の営業担当者なら必須の資格といえるでしょう。というのも、宅建士の資格を持っていないと「できない仕事」があるからです。

そのため、不動産を買いたい・借りたいというときに、営業担当者が宅建士の資格を有しているかどうかは割と重要な要素です。この記事では、宅建士について深く掘り下げていきます。

 

この記事を読めば、宅建士とはどんな資格か?営業担当者が宅建士を持っていないとどんなデメリットがあるか?が分かります。

 

 

宅建士とはどんな資格?

宅建士とは「宅地建物取引士」の略称であり国家資格です。宅地・建物という言葉からも分かるように、不動産に特化した資格であり不動産会社に勤務している人が保有しているケースが多いでしょう。

宅建士になるためには宅建士試験に合格して都道府県に登録手続きをする必要があり、合格率は15~17%なので資格取得の難易度はやや高めといえます。

不動産業を営むときは、「1つの事務所で業務に従事する人の中で5人につき1人以上」は宅建士の資格を有している必要があります。

逆にいうと、5人のうち4人は宅建士の資格は不要なので、不動産会社に勤務している人の中でも宅建士の資格を持っていない人はいます。

 

なるほど。不動産会社に勤務している人が主に取得する資格なんですね。中村編集者も宅建士を取得するときは大変でした?

 
 

そうだね。会社が宅建士の取得を必須にしていたからプレッシャーはあったかな…。少なくとも数か月は勉強しないと合格は難しい資格だね。

 

 

宅建士が必須資格な理由

宅建士の概要が分かったところで、なぜ不動産業を営むなら5人中1人が宅建士の資格を持っていないといけないのか?…それは、宅建士にしか以下の業務は行えないからです。

宅建士しか行えない業務
  1. 重要事項説明書面への署名・捺印
  2. 重要事項説明書面の内容の説明
  3. 契約書面(37条書面)への署名・捺印

 

何か、宅建士って難しそうな業務なんですね。

 
 

簡単にいうと、宅建士の資格を持っていないと、不動産の売買契約に関する業務ができないんだよ。だから、5人に1人は宅建士でないと、そもそも業務に支障を来してしまうね。

 

重要事項説明書面への署名・捺印

まず、不動産を売買・賃貸するときには、その不動産の購入者が「知っておくべきこと(重要事項)」を説明する必要があります。

その重要事項説明書には、売主(不動産会社)や仲介会社の担当者が署名・捺印をしますが、その署名・捺印は宅建士の資格を有していないとできません。

 

もし担当者が宅建士を持っていない場合はどうなるんですか?

 
 

その場合は、同じ事務所の人とか別の人が署名・捺印するよ。

 

だから、重要事項説明書に署名・捺印している名前を見て、「誰この人?」って思う場合もあるんだけど、それは宅建士の資格を持っている人なんだ。

重要事項説明書面の内容の説明

また、その重要事項説明自体も宅建士の資格を持っていないとできません。仮に、その不動産会社の社長だったとしても、宅建士を持っていないと重要事項説明を行う資格はないのです。

そもそも重要事項説明は、その不動産に関して重要なことを説明する必要があり、専門的な知識が必要です。そのため、きちんと宅建士の資格を持った人が説明しないと、買い手や借り手側が不安を覚えてしまいます。

 

重要事項説明は誰でも良いというわけではないんですね。

 
 

宅建士の最も重要な業務はこの重要事項説明だね。物件ごとに重要事項は違うから、宅建士の資格を持っていても、物件ごとに重要事項説明書を読み込んでいるんだよ。

 

契約書面(37条書面)への署名・捺印

不動産を売買・賃貸するときは、前項の重要事項説明が終わり、その説明に買い手・借り手側が問題なければ契約を結ぶという流れです。

そのときは、売買契約や賃貸借契約を結びますが、その契約書面(37条書面)にも宅建士の署名・捺印が必要です。

 

売買契約書は重要事項説明書と大部分内容が被っており、宅建士が説明するという義務はありません。

 
 

そうなんですね!重要事項説明書は宅建士が説明しなければいけないのに契約書は誰でも良いって…何か不思議…。

 
 

買い手(借主)が知っておくべきことは重要事項説明書に書いてあるからね。だた、感覚的には重要事項説明書をした後に、宅建士がそのまま契約書の説明をするケースが多いと思うよ。

 

 

宅建士を保有していない担当者の注意点

ここまでで、宅建士の概要や宅建士にしかできないことが分かったと思います。次に、宅建士を保有していない人が担当になったときの、以下の注意点について解説します。

宅建士を保有していない担当者の注意点
  1. 物件の案内は資格不要
  2. 重要事項説明や契約は違う担当者
  3. 宅建士持っていない≠信用できない

 

結論からいうと、やはり宅建士の資格を保有している営業担当者の方が安心できるね。

 

物件の案内は資格不要

まず、宅建士しかできないことは上述した契約関係の業務だけなので、内見や物件説明に関しては宅建士の資格を持っていなくても問題ありません。

むしろ、物件に関する知識は宅建士の資格を持っているかどうかというよりは、その営業担当者がきちんと物件について勉強しているか…経験はあるか…という点の方が重要でしょう。

重要事項説明や契約は違う担当者

宅建士を持っていない人が営業担当になると、重要事項説明や契約は「宅建士を持った別の人」が行います。そのため、今まではずっとAさんが担当だったのに、重要事項説明から突然Bさんに変わった…ということがあり得ます。

特に、不動産の購入は非常に大きな買い物になるので、営業担当者と購入検討者の信頼関係は厚くなることが多いです。

そんなときに、重要事項説明書や売買契約書だけ担当者が変わると、不安を覚える人は少なくないでしょう。

 

わたしの経験上、営業担当者がそのまま重要事項説明をした方が、顧客との信頼関係があるのでスムーズな契約ができるケースが多いね。

 

宅建士持っていない≠信用できない

宅建士を持っていないからといって、その人が信用できない人というわけではありません。特に、賃貸仲介では宅建士を持っていない人は少なくないでしょう。

ただし、特に売買仲介では3~4年のキャリアがあって宅建士を持っていない場合は、ちょっと心配…というのが本音です。というのも、確かに宅建士の資格取得は簡単ではありませんが、勉強すれば誰でも取得可能だからです。

特に売買に関する業務をメインにしている、ディベロッパーや売買専門の仲介会社においては、宅建士の資格を持っていないと別の人が重要事項説明書や契約をするので業務に支障を来します。

そのため、その不動産会社としても宅建士の資格取得を促しているはずなので、それにも関わらず取得していない…ということは、あまり熱心な担当者でない可能性があるのです。

 

一概にはいえないけど、わたしの周りにも何年経っても宅建士の資格に合格しない人はいて、やっぱりいい加減な人が多かった印象があるね。

 

 

まとめ

このように、宅建は不動産の営業担当者として取得する義務はありませんが、契約関係の業務に支障を来すので基本的には「必須」の資格といえます。買い手・借り手側も、営業担当者が宅建士の方が安心するのは事実でしょう。