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中古マンション選びの7つのポイント

この記事を書いた人
中村 昌弘
不動産コメンテイター

都内の私立大学を卒業後、新卒採用で不動産ディベロッパー勤務。 不動産の用地仕入れや、分譲マンションの販売・仲介などを手掛ける。 2016年に独立して以降、不動産関係のライティングも業務の1つに。

中古マンションの購入を検討している人は、まずどのようなポイントを押さえた上でマンション選びをした方が良いかを理解しておきましょう。

このポイントを理解しておくことで、自分の希望している住まいもクリアになる上に、予期せぬリスクなども発見できます。

今回は、元マンションディベロッパーで営業・仲介を担当していたプロの目から見て、必ず知っておくべき中古マンション選び7つのポイントについて解説していきます。

1.優先順位を決める

 

中古マンションを選ぶときには、まず何からはじめれば良いですか?

 
 

まずは自分の中で優先順位を決めることが重要です。優先順位を決めておかないと、中々物件を絞りこめなくてマンション探しの期間が長引いてしまいます。

 

具体的には、以下の項目で優先順位を決めておきましょう。

優先順位を決める項目
  1. 予算
  2. 立地
  3. 間取りと広さ
  4. その他の要素

予算

はじめに予算を決めましょう。予算を決めるときに重要なのは、月々の支払い額から逆算することです。つまり、いくらの借入で月々いくらの返済になるか?をあらかじめ知っておかなければいけません。

金利別

以下が金利、および借入金額別の月々返済額です。元利均等返済で借入期間は35年を想定しています。

借入/金利 0.5% 0.6% 0.7% 0.8% 0.9%
2,000万円 ¥51,917 ¥52,805 ¥53,704 ¥54,612 ¥55,529
2,500万円 ¥64,896 ¥66,007 ¥67,130 ¥68,265 ¥69,412
3,000万円 ¥77,875 ¥79,209 ¥80,556 ¥81,918 ¥83,295
3,500万円 ¥90,854 ¥92,411 ¥93,982 ¥95,571 ¥97,178
4,000万円 ¥103,833 ¥105,613 ¥107,408 ¥109,224 ¥111,061
5,000万円 ¥116,812 ¥118,815 ¥120,834 ¥122,877 ¥124,944
6,000万円 ¥129,791 ¥132,017 ¥134,260 ¥136,530 ¥138,827

上記以外の条件で調べたい場合は、ネットで検索すれば自動計算できるサイトがあるので、そのサイトを利用しましょう。

注意点

前項の表でザックリとした予算を決め、次は以下の注意点を理解しておきましょう。

予算を決めるうえでの注意点
  • 管理費や修繕積立金を加味する
  • 固定資産税を加味する
  • 諸費用も加味する
  • 金利は分からない

まずは、そのマンションを購入するときのランニングコストである、管理費・修繕積立金・固定資産税を加味することです。3点目の「諸費用を加味する」については次章で解説します。

また、金利は金融機関によって異なり、審査に通るかは借入者によります。そのため、上記のように金利別を表示していますので、一旦高めの金利で計算しておいた方が良いでしょう。

 

金利は金融機関だけでなくプラン(変動や固定)ごとにも異なるので、ネットでシミュレーションサイトを検索して、自分の調べたい金利を設定してみてください。

 
 

立地

予算の次は立地を決めましょう。立地については、「○○駅の最寄り」ではなく「○○沿線」「会社から電車で30分以内」などのように、広い範囲で希望できるならそちらの方が良いです。

というのも、あまりエリアを限定しすぎると物件数が少なくなり、「立地は良いけど広さと間取りが合わないな…」などの状況になりやすいからです。

 

まずは広いエリアで物件を探してみて、仮に物件数が多すぎると感じたら駅を絞っていく…という流れがおすすめです。

 

間取りと広さ

次に間取りと広さを決めます。その際のポイントは、「どのように利用したいかを考える」ということです。たとえば、75㎡3LDKの部屋を希望していた場合では、以下のような利用方法が考えられます。

  • 子供部屋が2部屋欲しい
  • 荷物が多いので1部屋納戸代わりにしたい

 

実際に住んでみたらどのように使うか?というシチュエーションを考えればイメージしやすいですね。

 

子供部屋が2部屋欲しい

子ども部屋が2部屋欲しいのであれば、3LDKという条件はマストかもしれませんが75㎡という条件はマストではありません。

というのも、70㎡3LDKでも子供部屋は2部屋つくれますし、間取りによっては67㎡でも十分な広さの子供部屋を2部屋確保できるマンションもあるでしょう。

仮に75㎡という条件で部屋を探した場合、このように本来は希望条件に入る70㎡や67㎡の部屋を見逃してしまう可能性があるのです。

荷物が多いので1部屋納戸代わりにしたい

たとえば、子供部屋が1部屋必要で、後の2部屋を主寝室と納戸代わりにするとします。その場合、荷物の量によっては大きなクローゼットがあれば問題ないかもしれません。

つまり、「67㎡2LDK」のような広々した2LDKであれば収納が大きい部屋もあるので、そのような部屋でも良いということです。

 

このように、「どのように利用するか?」をきちんと考えないと、検索条件に引っかからず見逃してしまう部屋があるので注意しましょう。

 

その他の要素

その他の要素とは以下になります。

その他の考慮すべき要素
  • 築年数
  • 商業施設の利便性
  • 方位
  • 階数

上記に関しては、条件を絞り過ぎてしまうと物件数が少なくなります。そのため、前項までで挙げた予算・立地・間取りや広さで物件数を絞ったあと、さらに物件数を絞り込むときに利用しましょう。

 

こんな風に、各項目で優先順位を決めておけば、ネット検索するときや不動産会社に条件を指定するときに楽そうですね!

 
 

条件を絞らないままだと、物件検索すると膨大な量になるし、不動産会社の営業マンも紹介しにくいからね。必ず条件を絞ってから物件探しした方が良いですよ。

 
 

2.予算には諸費用を加味する

中古マンションを選ぶときのポイント2つ目は、前項で解説したように予算には諸費用を加味するという点です。中古マンション購入時の諸費用については、以下の点を知っておきましょう。

  • 諸費用の項目と金額
  • 諸費用はローンを組むことも可能

 

中古マンション購入時の諸費用は百万円単位になることも少なくないので、この金額を加味しないと「手持ち資金が足りない…」などの状況になりやすいです。

 

諸費用の項目と金額

目安をいうと、以下諸費用額は「中古マンション価格×5~8%」ほどです。

マンションの建替えの理由
  1. 仲介手数料:購入価格×3% + 6万円
  2. ローン事務手数料:金融機関による(数万円程度が多い)
  3. ローン保証料:金融機関による(高いと「融資額×2%」)
  4. 火災保険料:プランによる(10万円程度が多い)
  5. 登記関係費用:物件の評価額と借入金額による
  6. 固定資産税の精算分:物件による
  7. 不動産取得税:物件の評価額による

MEMO
上記のように、諸費用額は物件や金融機関によって異なる項目が多いです。基本的には、仲介してくれる不動産会社が概算金額を算出してくれるので、その金額を参考にして予算を考えましょう。

諸費用はローンを組むことも可能

諸費用は「諸費用ローン」を組むことも可能であり、諸費用ローンを組むことで手持ち資金を減らさずに済むというメリットがあります。ただし、金利が高く返済負担が大きくなるというデメリットには要注意です。

たとえば、三菱UFJ銀行の諸費用ローン金利は、最低でも4.475 %です。仮に、この条件で200万円の諸費用ローンを期間10年で借り入れたら、月々15,274円です。

つまり、通常の住宅ローン支払い額に15,274円上乗せされるので、その点を加味した上で諸費用ローンを組むかを判断しましょう。

3.相場価格を調べておく

中古マンションを選ぶときのポイント3つ目は、周辺の相場価格を調べておくことです。

というのも、中古マンションの購入を検討しているときに、そもそもこの価格は高いのか安いのか?を判断できないと、値引き交渉できるのに高く買ってしまった…という事態になりかねません。

そのため、相場価格を調べる以下2つのサイトを知っておきましょう。

  • REINS Market Information
  • 土地総合情報システム

REINS Market Information

不動産取引のレインズ

REINS Market Informationとは、不動産会社しか閲覧できないREINSのデータを一般の方でも閲覧できるサイトです。

不動産種別(マンション・戸建)やエリアなどを選択して物件を絞ると、その条件に合致した成約事例を閲覧することができます。

マンションの相場価格は直近の成約価格によって決まるので、過去の成約事例を見ることで相場価格も分かってくるというわけです。

土地総合情報システム 

土地総合情報システムも、不動産種類やエリアを選定すると成約事例を閲覧できます。

ただ、REINS Market InformationがREINSの情報なのに対し、土地総合情報システムは国土交通省が実施するアンケートをベースにしています。

そのため、情報の確からしさはREINS Market Informationの方が上といえるでしょう。ただ、どちらのサイトも簡単に成約事例を確認できるので、両方のサイトを閲覧してみることをおすすめします。

4.室内を隈なくチェックする

中古マンションを選ぶときのポイント4つ目は、室内を隈なくチェックするということです。室内のチェックについては以下の点を知っておきましょう。

室内のチェック時のポイント
  1. 瑕疵担保責任に頼り過ぎない
  2. できるだけ広範囲をチェックする
  3. 動作確認を要請する

 

このポイントは、意外と知られていないポイントだけど、入居後のリスクにつながるから必ず確認しておこう。

 

瑕疵担保責任に頼り過ぎない

瑕疵担保責任とは、簡単にいうと「室内に欠陥(瑕疵)があれば補修などを売主が責任をもって行ってください」という、引渡し後に発生する売主の責任のことです。

しかし、以下のようなことがあるので、瑕疵担保責任があるからといって安心してはいけません。

  • 裁判沙汰になると面倒
  • 瑕疵担保責任には期限を設ける

裁判沙汰になると面倒

瑕疵担保責任の範囲は曖昧であり、「生活に支障のない範囲」であれば売主に責任を追及できません。RETIOの判例を見ても、瑕疵担保を巡る訴訟が起きています。

つまり、瑕疵担保責任があるからといって室内確認を怠った場合、そう簡単に売主が補修などの責任を果たすわけではなく、最悪の場合は訴訟に発展するということです。

そのため、中古マンション購入前の室内チェックは重要というわけです。

瑕疵担保責任には期限を設ける

また、一般的に中古マンションの売買は売主が法人ではなく個人なので、瑕疵担保責任に期限を設けないと、売主は個人的に瑕疵担保責任を負い続けるというリスクがあります

そのため、一般的に瑕疵担保責任を負う期間は3ヶ月~2年程度で期限を区切るので、その期間を過ぎてから瑕疵を発見しても基本的には売主に責任を追及できません。

 

つまり、瑕疵担保責任を過信しすぎに、瑕疵担保責任はないものと考えて自己責任で室内をチェックした方が良いということだね。

 

できるだけ広範囲をチェックする

前項のように、瑕疵担保責任に頼らずに以下のような部分もきちんとチェックすることが重要です。

  • クローゼットの中
  • バルコニー
  • 水回りの見にくい部分

売買契約の締結前に瑕疵を発見すれば、補修してからの引渡しを条件にすることも可能です。もしくは、引渡し後にこちらで補修するとして、値引き交渉の材料にも利用できます。

居住中の中古マンションの場合は全ての箇所を見ることは困難ですが、なるべく広範囲を細部にわたってチェックしましょう。

動作・室内確認を要請する

不動産会社によっては、以下のような動作・室内確認を行った後に売買契約を締結します。

  • 窓やドアの開閉に異常がないか
  • 給湯器などの設備はきちんと作動するか
  • 壁や床に大きな傷や汚れはないか

しかし、上記の動作・室内確認をしないで売買契約を締結する不動産会社もあるので、その場合は買主側から必ず要請しましょう。

中古の売買は基本的に現状有姿

というのも、中古不動産の売買は基本的に現状有姿だからです。現状有姿とは「現況渡し」ともいいますが、要は「このまま(今あなたが見ているまま)の状態で引渡しをします」という意味です。

つまり、傷や汚れに関してはそのまま引渡しをするという意味であり、その際に見えない傷や汚れも生活に支障がない範囲であれば現状有姿に含まれます。

 

MEMO
新築マンションの購入時は、「内覧会」といって傷や汚れをチェックする機会がありますが、中古マンションの購入時はこのような機会は基本的にはありません。

売買契約~引渡しまでのリスクヘッジ

中古マンションの売買は、売買契約を結んでから引渡しまでに1か月ほど時間が空きます。

そのため、動作・室内確認を不動産会社立ち合いの元で行うことにより、売買契約~引渡しまでに生じるトラブルに対してリスクヘッジできるのです。

たとえば、「売買契約前に行った動作確認時は正常であった給湯器が、引渡し後は故障していた」とします。

この場合、瑕疵担保責任を追及する場合は、引渡し後に故障したものではない…つまり契約~引渡しまでの間に故障していたことの証明が必要です。

 

このとき、動作・室内確認をして書面に残しておくことで、少なくとも売買契約時までは正常だったことが分かるので、たとえば引渡し初日に故障していれば売主に責任を追及できる可能性は高くなります。

 

5.外観と共用部もしっかりチェックする

中古マンションを選ぶときのポイント5つ目は、マンションの外観と共用部もしっかりとチェックすることです。外観と共用部をチェックするときは、以下を意識してチェックしましょう。

  • サブエントランス側
  • 共用廊下など目立つ部分の清潔さ
  • ルールを守っているか

外観や共用部が劣化しているということは、そのマンション全体の資産価値の下落につながります。また、特に共用部が劣化していれば、単純に住みにくい環境ということです。

だからこそ外観と共用部もしっかりとチェックをして、自分が住むのに適しているマンションかを判断しなければいけません。

サブエントランス側

多くのマンションは、メインエントランスの反対側にサブエントランスを設けています。仮に、サブエントランスがなくても、メインエントランスの逆側は仕様が落ちるものです。

たとえば、メインエントランスはタイル貼りになっているものの、サブエントランス側は吹き付け仕様…というパターンは良くあるでしょう。もちろん、構造上問題があるわけではないのですが、吹付仕様の部分の方が劣化は早いです。

つまり、メインエントランス側だけの外観ではなく、むしろサブエントランス側の外観をしっかりとチェックする必要があるということです。

サブエントランス側が吹付やコンクリート打ちっぱなしで、見た目もかなり劣化していれば、いくらメインエントランス側がきれいでも将来的に資産価値は落ちやすいといえます。

共用廊下など目立つ部分の清潔さ

大半のマンションは、共用部の清掃を管理会社に依頼しています。その清掃頻度や清掃内容は、管理会社や選択しているプランによって異なるので、管理会社の評判が良いからといって清潔な状態とは限りません。

そのため、共用廊下やエレベーター、エントランスなど目立つところの清潔さは必ず確認しましょう。

たとえば、築浅なのに汚いという状態であれば、管理費を抑えるために清掃頻度を少なくしているマンションであり、将来的に劣化が激しくなる可能性があります。

 

前項と同様に「資産価値の下落」につながる問題なので、マンション購入前に必ずチェックしておきましょう。

 

ルールを守っているか

また、ルールを守っているかもチェックが必要です。たとえば、ゴミ置き場をチェックするとゴミ出しの日ではないのにゴミが溜まっている…駐輪場に乱雑に駐輪されている…などの状態もあり得ます。

そのような状況だと、以下の点にデメリットがあるといえます。

  • 住人のモラルが低い
  • 管理会社が機能していない

住人のモラルが低いと、駐輪場が乱雑になる…のようなことが起きやすく、今後も共用部の使い方が雑である可能性があります。

また、本来は注意喚起するはずの管理会社が機能していない可能性があるので、そのような管理会社は今後住んでいくうえで頼りにならない管理会社といえるでしょう。

ソフト面もきちんとチェックする

このように、マンションの場合は戸建と異なり、外観・共用部という要素があります。単に、外観や共用部のきれいさだけでなく、上述したような「管理」というソフト面もきちんとチェックしましょう。

「マンションは管理を買え」という言葉もあるくらい、マンションの資産価値や住みやすさという観点では、マンションのソフト(管理)面は重要になります。

 

6.現地は必ず徒歩で確認する

中古マンションを選ぶときのポイント6つ目は、以下の理由で現地は必ず徒歩で確認するという点です。

  • 予想以上に時間がかかる場合がある
  • 歩きにくいアプローチの場合がある

駅徒歩や商業施設などへの徒歩分数は、そのマンションの利便性と資産価値に大きな影響を与える要素です。そのため、きちんと現地で確認する必要があります。

注意
特に真夏や真冬は、「車で確認」「徒歩分数だけ確認」ということをしがちなので要注意です。

予想以上に時間がかかる場合がある

たとえば、駅や商業施設まで徒歩4分だとしても、以下のような場合は表記されている徒歩分数よりも時間がかかることがあります。

  • 長い信号待ちがある
  • 坂道がつづいている

このようなアプローチの場合は、徒歩4分で行くことはできず、実際は6~7分かかるというケースありもあるでしょう。だからこそ、現地確認は必須というわけです。

歩きにくいアプローチの場合がある

また、以下のように歩きにくいアプローチの場合もあります。

  • 夜は暗い道になる
  • 交通量の多い道を歩く
  • 歩道がない

駅から徒歩4分だとしても、夜は暗い道になるのであれば、特に女性や子供が怖いと感じるでしょう。

また、交通量が多かったり、歩道がなかったりするアプローチの場合、徒歩分数が近くても「目的地に辿りつきにくい」というデメリットがあります。

 

少々面倒ではありますが、平日・休日、朝・昼・晩など、色々なシチュエーションで現地を歩き回って見ることをおすすめします。

 

7.事故・災害・犯罪リスクは行政の資料で確認

中古マンションを選ぶときのポイント7つ目は、事故・災害・犯罪リスクを以下のような行政の資料で確認するという点です。

犯罪件数

交通事故マップ

ハザードマップ

液状化マップ

上記の資料は、都道府県単位で出展している行政もあれば、市区町村単位で出展している行政もあります。

いずれにしろ、目に見えないリスクを確認することができ、これらの要素はマンションに住む上で重要なので、エリアが決まったらネットで検索して確認してリスクの大小を確認しておきましょう。

まとめ

マンションという高額な商品なので、どのマンションを購入するかは慎重に選びたいものです。優先順位の整理や室内・外観のチェックなどは時間がかかりますが、非常に重要なことになります。

多少時間がかかってでも、上述した7つのポイントを押させてマンション探しをすれば、効率良く自分に合ったマンションを見つけられるはずです。