投資初心者が陥りやすい不動産投資の失敗事例3選

事務員
最近私の周りで不動産投資をはじめた人の話をよく聞きます。少し興味があるのですが簡単に始められるんですか?

浜崎編集者
うーん、そうですね…近年、老後の年金不安や、所得税・相続税等が増税傾向にあることもあり、不動産投資を検討する人が増えていますが、リスクについて理解せずに投資を始めることはお勧めできません。

事実、投資初心者の失敗には似たような傾向があります。これから不動産投資を始めようという人は不動産投資で失敗してしまった先輩の経験から学び、同じような失敗をしないように対策を立てておくことが効果的です。ここでは、投資初心者が陥りやすい不動産投資の失敗事例について解説していきます。

不動産投資の失敗事例には共通点がある

不動産投資の失敗事例には共通点があります。不動産投資を始める人の多くが、不動産会社のお世話になりますが、不動産会社の担当者の言葉を全て鵜呑みにせず、自分でも勉強する必要があります。失敗は事前に予防することができます。次からは具体的な失敗事例についてお話をしていきましょう。

失敗事例①初年度しか節税にならなかった 

不動産会社のなかには、『不動産投資を始めると節税ができる』と説明する業者がいます。

年収1,800万円の50代会社員のAさんは10年ほど前に不動産投資のための新築マンションを購入しました。確かに、初年度は所得税が還付され、節税効果がありましたが、次の年からはほとんど節税効果がなくなってしまったそうです。このように、節税のために不動産投資を始めても、うまくいかないことはよくあります。その原因を見ていきましょう。

そもそも、不動産投資の初年度は登録免許税や不動産取得税などの税金や購入にかかる費用が経費として計上できるため、初年度は赤字になることが多く、給与所得や事業所得の黒字と相殺することで、課税所得が減り節税になります。しかし、2年目以降は出せる経費が一気に少なくなり、空室や修繕費が発生しなければ、2年目から不動産賃貸事業が黒字化することも珍しくありません。このように、事業が黒字化することは『投資』としては好ましいことですが、『節税』を目的としたAさんにとっては失敗だったのです。

残念ながら未だに、不動産で節税ができると謳う業者は多く、初年度の節税効果が半永久的に続くように誤認させて販売する営業担当者もいるようです。先述の通り、不動産投資で所得税の節税効果が高いのは1年目のみで、実際に手出しを伴っている場合は、単純に還付された金額分だけ得をしたと喜べるものでもありません。

浜崎編集者
さらに、2020年の税制改正で海外不動産を用いた節税スキームが封じられたように、税制改正により、それまで節税になっていたものが、急にできなくなることも珍しくありません。

Aさんの事例からは、不動産投資による節税効果は限定的であることを理解し、節税以外にも目的を持って不動産投資を始めることの重要性が学べます。

失敗事例②家賃を大幅に下げなければ空室が埋まらなかった 

年収1000万円の30代会社員Bさんは、中古のマンションを購入しました。近くに大学があり、継続した家賃が期待できると思っていましたが、近くに大きい新築のマンションができてしまい、家賃を大幅に下げなければ空室が埋まらなくなってしまったそうです。

このように、購入時のシミュレーション通りの収益が得られなかったという失敗事例も数多く存在します。

不動産投資の利回りには2つの考え方があります。

表面利回り=(年間の家賃収入)÷物件の購入価格×100
実質利回り=(年間の家賃収入-年間の諸経費)÷(物件の購入費+購入にかかる資金)×100

年間の諸経費には、不動産管理にかかる費用や修繕費などが含まれます。

本来、実質利回りを考えて、物件を購入しないといけませんが、不動産業者の中には、表面利回りの説明しかしない担当者もいます。

地方や郊外は都心部と比べて、高利回りの物件が多く見つかりますが、マンションやアパートの建設が増加している地域では、物件の需要と供給の見極めが難しくなっています。近くに大学や会社などがある地域では、一定の需要が見込めますが、その大学や会社が移転したり、他にマンションができて、部屋の供給が増えたりすると、空室リスクが高くなってしまうこともあります。空室の期間が長くなってしまうと、家賃収入が減り、利回りが低くなったり、収支がマイナスになったりすることもあります。

事務員
家賃が保証されるサブリースなら家賃収入が減っても大丈夫だと聞いたのですが?

浜崎編集者
サブリースの場合、一方的に家賃を下げられたり、契約が解除されたりした事例も聞きますので、注意が必要です。

Bさんの事例から、高利回りの物件にはその利回りが高くなっている理由(リスク)が存在していることを学び、周辺相場を予め調べ、最悪の場合いくらまで家賃を下げれば確実空室が埋まるのか、その場合の収支はどうなるのかなど、事前に対策を打っておくことの重要性が学べます。

失敗事例③物件の価値がローンの残債を下回り売るに売れなくなった

最後に、年収1200万円の40代公務員のCさんの事例です。10年ほど前にCさんは不動産投資のために、築15年の中古のファミリー向けマンションを購入しました。壁紙を変更する程度の簡単な修繕で十分で、家賃も期待できるという業者からの説明を受け、安心して購入しました。ちょうどマイホームの購入に貯金を使っていたので、オーバーローンではありましたが、共働きなので、何とかなるだろうと決断をしました。最初は、順調に入居者が入っていましたが、築20年を超えると、部屋の傷みが目立つようになり、水廻りを新しいものにしたりするなど大規模な修繕費が必要で、家賃も下げないと人が入らなくなりました。収支が悪くなったことに加え、お子様にお金がかかるようになったことから、Cさんは売却も考えたのですが、物件の価値がローンの残債を下回り、売るに売れない状態だったそうです。

日本国内の不動産は、古くなると、その分家賃が安くなるのが一般的です。また、築10年を超えたあたりから、給湯器やエアコン等が故障するようになり、築20年を超えた頃からは水回りの設備の一新やマンション全体の大規模修繕が必要となる場合もあるなど、時間の経過とともに修繕費の負担は重くなっていきます。

Cさんのようにオーバーローンを組んでいると、月々の返済額は必然的に高くなり、収支は悪化しがちです。そこに修繕費の負担が重なることで、事業継続が困難になってしまう事例も少なくありません。

事務員
Cさんの事例から、経年劣化に伴う家賃下落や修繕費の負担増を踏まえても、きちんと返済可能な計画を立てておくことの重要性がわかりましたね!

不動産投資で失敗しないために行いたい3STEP

上で3つの不動産投資の失敗事例を紹介しました。今回お話をしてきたような失敗は予防することができます。次からは、不動産投資で失敗しないために注意したいことについて、解説をしていきます。

 

STEP1 不動産投資の目的を明確にしよう

まず不動産投資の目的を明確にすることから始めましょう。

投資の目的に合った不動産を選ぶことでリスクを下げることができます。不動産投資には、相続税など税金対策、老後の年金不足を補う副収入、副業、資産形成、転売など、さまざまな目的があります。不動産投資には、築浅、築古、区分、一棟、マンション、アパートなどがありますが、投資目的によって、選ぶべき物件が変わってきます。

浜崎編集者
投資の目的を明確にするとともに、自身の資産状況なども一度整理してみましょう。

STEP2 目的に合った不動産を選ぼう

不動産投資をする際には、目的に合った不動産を選びましょう。

例えば、築古物件は安いので、自己資金で投資を始めたい人に向いています。リフォームの知識がある人などは高い利回りが期待できたり、高く売却できたりする可能性もありますが、リスクもあるので、投資経験がないと失敗するリスクも高まります。一方で築浅の区分マンションは大きな家賃収益はのぞめませんが、管理会社に管理を委託でき、長期的な家賃収入が期待できることから、手間をかけずに副業で稼ぎたい人や長期的に資産形成をしたい人、将来の年金不足目的の人に向いていると言えるでしょう。また、相続税対策として持つのであれば、あえて団体信用生命保険なしで購入した方が良いなど、物件だけではなく、その購入方法も目的によって変えた方が、よりメリットを享受しやすくなります。

STEP3 投資回収計画を立てよう

不動産投資をする際には、投資回収計画を立てることも大切です。まず、ローンの借入額、返済期間、自己資金、修繕費や空室リスクを考えての最低限の蓄えと家賃収入を考慮しながら、投資回収計画を立てましょう。

浜崎編集者
いつ頃投資した金額を回収できそうか、どうなれば不動産投資として成功なのかという基準を持っておくことで、必要以上に不安になったり、迷ったりすることも少なくなるはずです。

事務員
周りに流されて見切り発車で始めるのではなく、知識と計画が大切なのですね!勉強になりました!

まとめ

不動産投資初心者が陥りやすい失敗事例について解説をしてきましたが、お伝えしてきたように不動産投資にはリスクがあります。しかし、過去の不動産投資初心者の失敗から学び、不動産投資の情報を入手したり勉強したりすることにより、そのリスクを軽減させることは可能です。

不動産投資を始めたいと思ったら、まず初心者向けの不動産セミナーに参加することをおすすめします。最新の投資手法や物件情報についても効率よく学ぶことができるでしょう。

 

 

 

 

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